PTA考(3)



 朝日新聞の連載を見ると、以下のようなデータが並んでいる。

Q1 PTAは必要?不要?

  絶対必要72、必要176、あってもよい112(→37.2%)

  どちらでもない63

  絶対不要136、不要221、なくてもよい188(→56.3%)

Q2 PTAは必要?不要?(男女別)

  男 必要172  不要175

  女 必要188  不要370

Q3 PTAのイメージは?(2104人、複数回答可) 

  面倒くさい・負担が大きい 1544

  親の責務 735

  ためになる 466

  楽しい・おもしろい 431

  堅苦しい 387

  イメージがわかない 69

Q4 PTAに期待するものは?(同上)

  子供の教育環境の向上 1087

  親同士のネットワーク作り 884

  先生とのつながり強化 830

  地域との連携・情報交換 792

  教育行政への注文 409

  特になし 471

Q5 PTAに改善してほしいところは?(同上)

  活動内容の簡素化 1420

  役員・係の決め方 1252

  全員加入が当たり前のこと 909

  男性が参加しにくい 579

  会費の使われ方 526

  特になし 108 

(注:Q1、2は連載第5回、3、4は第3回、5は第4回所載)

 全体としてPTA不要論が多数を占める。特に女性において不要論を唱える人が多く、その原因は負担の大きさであるようだ。連載第1回で、川端裕人氏が「PTAの業務は女性が担うと想定されていて、参加しない母親は父親の100万倍も非難される。男性の自分から見ていても理不尽」と書いていることと関係するだろう。

 私は先月、運動会の前に、初めて小学校PTAの保体部会というのに出席したのだが、そこで座長をしていた某父親が、一貫して「お父さんは皆さん忙しいでしょう。お母さんの中で誰か・・・?」という論調で話をするのを聞いて、恐れ入った。今時、フルタイムで働いている母親って、そんなに少ないのかな?だから、上の川端氏の意見がリアルに感じられたわけである。ここからは、活動内容の簡素化や役員・係の決め方を改善してほしいという希望が生まれてくるのが、自然に納得される。とは言え、事の本質はそんなところにあるのではないと思う。

 PTAのみならず、今の世の中の多くの場面で共通して原因となっていることがいくつかある。それは、

・人間関係は煩わしいので、できるだけ避けたい。

・暇で生活が豊かであるため、娯楽に事欠かない。

・組織はとかく形式的になりがちである。

ということだ。前回書いたようなPTA出発点の理念を、人々が今も共有し得るものかどうか?仮に共有できるとしたら、PTAは不要になどなるわけがない。しかし、わざわざ人間関係で面倒な思いをしなくても、学校はとりあえず成り立っていくし、PTAで娯楽や研修の場を与えられなくてもすることに困ったりしないし、そもそも研修の必要性など感じないし、子供によりよい学習環境を提供できるなら協力してもよいが、果たして、学校の施設にどれだけの不足があるか、PTAで出来ることとは何か・・・と考えていくと、PTA活動への意欲など湧いてこない、というのが当然であり、正直なところではないかと思う。(続く)