どんぴしゃ満開・・・我が家のお花見

 昨日は、我が家が1年で最も美しい1日だった。水仙(なぜか例年より少し数が少ない)と桜が満開で、ウグイスやシジュウカラが1日中さえずっている。多少の風があっても寒さを感じず、激しく動かなければ汗もかかない。少し湿度が高いと見えて、決してクリアーではないけれど、海もほどほどに見えている。
 さて、一昨日の土曜日は、この場でも以前から予告していた「平居家花見」という大イベントであった。金曜日、そこそこ気温が上がったおかげで、土曜日の朝に起きた時には、3分咲きになっていた。天気予報によれば、土曜日も20℃くらいまで上がるらしい。もしかすると午前中のうちに、一気に8分咲きくらいになるかも知れないぞ、と期待が高まった。まるで枕元で鳴いているかのように、ウグイスの声が近くに聞こえて目覚めたことも、そんな明るい期待が持てた原因だったかも知れない。
 正午には5分咲きを超えた。
 2時になった。例年、何時からと言っても、6時頃をめがけて三々五々集まってくるものなので、そうすぐに人は来ないだろう、と思っていたところ、なんと今年は2時過ぎからけっこう続々と人が集まってきた。
 3時10分頃に、宮水調理類型の先生方(本職の板前さん)が到着。「平居先生、これはちゃんと写真撮ってくださいよ」というので、何事かと思い、彼らが持ってきた大きな菓子箱(6つ!)を開けると、来る前に握った分の握り寿司や太巻きが美しくびっしりと並んでいる。集まった人々から、歓声が沸き起こる。それを前に、板前さんは更に寿司を握り始めた。いつも思うことだが、挙措動作の一つ一つが美しい。
 数日前に、「寿司以外にリクエストありませんか?」というメールが来たので、「来て下さるだけで十分、リクエストなど何もありませんが、あえて言わせていただければ、普段着ではなく、白い板前さんの格好で来て下さい」と返信しておいた。先生方はそんなリクエストにも応えてくれた。清潔感があって、ほれぼれするくらい格好いい。本当にありがたいことである。
 結局、この日、我が家に集まったのは30人。私の家族を入れると、34人(うち子供9人)である。決して狭くはないが、特別に広いわけでもない我が家は、開放しているのが1階だけということもあって、満員御礼だ。桜も、夕方までには8分咲きになった。愚息が、「8割咲くと満開って言うんだよ」などと生意気な口をきく。後で確かめてみたところ、確かにその通りらしい(←少し悔しい)。というわけで、我が家は今年もお花見の日に、どんぴしゃ満開になったのである。
 板前さんたちは、大量のお寿司だけでなく、おでんまで作ってきてくれて、参会者が持ち寄ったものもあり、全員飽食状態。生後一ヶ月の赤ん坊の泣き声も楽しく、なかなかに盛り上がったいい会になった。何から何まで「おかげさま」。
 そう言えば、数日前にかの千葉一先生(→こちら)から、「お花見参加します」とのメールが来た。そのことを妻に話すと、「わぁ、我が家のお花見も、今年は格調が高いものになるわね」と言う。来るというだけで、その会の格調を高める(と見られている)人とはすごい。その千葉先生は、早々2時を少し過ぎた頃に、ピスコサワー(ペルー産のブランデー)をぶら下げてお見えになった。私も前々から大いにご尊敬申し上げている方なので、来て下さったこと自体がとても喜ばしいのだが、果たして、それによって会の「格調」なるものが高まったかどうかは判然としない。だが、間違いがないのは、みんないい顔でニコニコとよく食べ、よく飲み、よく語った、ということだけである。それで十分。果たしてみんなが花を愛でていたかどうか・・・そんなことは知らない。