時間泥棒・・・まるでmagic!



 仙台に引っ越してきて明日で1ヶ月になる。通勤時間は自転車+電車+徒歩で片道1時間40分(!)もかかっていたのが、自転車で15〜20分になった。1日あたり2時間半以上という驚異的な節約である。妻の両親との同居で、何をやろうとしても「いいから、いいから」と言われ、家事に費やす時間も大幅短縮となった。1日あたり1時間くらいであろう。都合、3時間半以上にも及ぶ「ゆとり」が毎日生じている計算となる。

 ところが、この「ゆとり」がどこへ消えているのか、豊かな、ゆったりとした時間を過ごし、或いは何かが出来るようになった気がしない。睡眠時間は1時間くらい延びた。今までも足りなくて困っていたわけではないのに、なぜ延びたのだろう?起きてから目が覚めるまでの時間も、変にダラダラ長い。読書の時間は大幅に減った。今までは、電車の中という読書と昼寝にしか使えない時間が、毎日きっちり2時間以上確保されていたが、これが無くなった結果、なぜか他の所にも読書の時間が取れず、2〜3日に1冊のペースが、2週間に1冊にまで落ちた。学校にいる時間は1時間半くらい増えたように思うが、その間に処理する仕事の量が増えたようには思わない。仙台に引っ越して、余裕が出来たらやろうと思っていた仕事もほとんど手付かずだ。まるでmagic!

 そんなことを思いつつ頭に浮かぶのは、勉強するためと言って部活をやめた人が、案外(若しくはほとんど)伸びないという、今までに幾度も目にしてきた事例だ。彼らも、こんな風にして時間を何かに吸い取られ、変だなあと思いながら、どうしようもないまま過ぎていったに違いない。そういえば、「忙しい人ほど暇(時間)を作り出す」という言葉も聞いたことがある。恐ろしいことだ。