近くて遠い韓国



 1月に予定されている光州一高との交流会で、ホームステイの受け入れ先が見つからない、という話は、最近よく聞く話である。

私は2回韓国へ行ったことがある。初めての時は、もう20年近くも前、大学の先生の紹介で外務省直轄「日韓学生交流」なるもののメンバーとなり、外交官(元釜山総領事)を団長に、日の丸の旗を掲げたバスで移動し、韓国文教部(日本で言う文部科学省)主催の諸行事に参加するという珍しい体験をさせてもらった。中に韓国の大学生の自宅にホームステイというプログラムがあり、高麗大学校(日本で言うと早稲田のような大学らしい)の学生の家に泊めてもらった。アパートで、こんな所でホームステイを受け入れるのか、と驚いたが、なかなかゆったりした作りになっていて快適だった。2回目は10年ほど前、国立博物館の建物(日本統治時代、朝鮮総督府だった)が壊される直前、わざわざこの建物を見に行った。

 日本にいては、韓国の高校生達(どんな集団だったか忘れた)が宮城に来た時、知人から声がかかり、生徒も面白がったので、前任校の某クラスで交流会を持ったことがある。仙台の朝鮮人学校の先生達と親しくしていた時期もあった。

 という私の個人的体験を元に語るに、韓国は日本に最も近い外国であるという事実とは逆に、韓国人と日本人は民族的性質として非常に遠い(異質である)ように思う。タイ人やミャンマー人の方がはるかに近く、接していて受けるカルチャーショックの大きさから言うと、欧米人の方が小さいと思うくらいだ。このことは、逆に言えば、物を考えるきっかけになる、ということでもあるだろう。

 諸君だけでなく、家の方で面倒な点も多いので、あまり積極的にホームステイの受け入れを勧めるわけにもいかないが、もしも食わず嫌い(失礼?)であるなら、それはもったいないことだと思う。