鹿島鉄道存続運動



 部活もその他の公務もない週末、県内の高校教員が自主的に開いた研修会(1泊2日)に参加した。私は、勉強というのは人に強いられてするものではなく、そもそも強いられた勉強では何も身に付かないと思う。だから、県や学校が時間も場所も金も保証してくれない勉強会をあえて開き、また参加することには意味があると思っている。

 企画の一つとして、面白い活動をしている学校の先生を呼んで話を聞くというのがあり、茨城県立小川高校という所の先生に来てもらった。そこの生徒達は、地域の高校や中学校と連携して、地元の赤字ローカル私鉄である鹿島鉄道の存続運動を行っている。もともとは、小川高校単独の活動で、政治的なことも絡んでくるため、圧力がかかったりするのではないかと恐れてもいたそうだが、支持者がどんどん増え、県や町が2億円の援助をし、とりあえず2007年までは廃止されない、という所までこぎつけた、とか。その過程のドタバタが面白い。

 高校生、といより若者が、生々しい現実と向き合い、社会的に行動することは非常に少ない。大人がそれを嫌っているからだ、と私は思う。しかし、そのように学校の外の多くの人と触れ合いながら学んでゆくことというのは、知識を生きたものにし、人を賢くするであろう。私は別に、一高生に何かをするようにけしかける訳ではないが、日常生活にすっかり満足し、自分たちの日常を邪魔されさえしなければ、社会がどうなっていようが関係なし、という状態にはなって欲しくないと思う。