休まない学校



 先週の金曜日、夜中からうるさいなあと思っていたのだが、朝5時に布団から出て外を見ると、バケツをひっくり返したような大雨であった。これでは学校どころではない、とテレビの台風情報を見ながら朝食を取っていたところ、絶対に動いているはずのない電車について、一言も「運休」とも「遅れ」とも報道がない。「な〜に、仮に電車が動いていたとしても、駅へ行ける状況ではない。これで学校へ行くとなれば、日本人の勤勉も病気だ」などどうそぶきながら、休校モードで悠然と紅茶を飲んでいた。そうしたところ、6:15になって急に雨脚が弱くなった。今日は学校があるわけないという確信は、突然弱気に転じ、後ろめたい気分にすらなりかけていた私の心を見透かすように、妻が、「駅まで送ってあげるから行ったら?」と言いだし、結局私は、いつもと同じ時刻に一高に着き、何事もないかのように授業が始まり、そして、台風の通過とともに一日が終わった。朝のHRの時、最も不在者の多かったクラスは、不在者19名であったが、1校時終了までに大半の生徒が登校した。

 いろいろ考える。電車が動いていること、学校が授業をするということは、何も各自の安全を保証するものではない。電車は動かせる、生徒が来たら授業は出来る、というだけのことである。今外に出て、安全に学校に行き着けるかどうかという判断は、あくまでも各自に委ねられていると考えるべきだろう。ということは、金曜日学校に来なかった人は、主体性がしっかりしているということであって、決して文句を言われるべきではないような気がする。

 しかしながら、あちこちのクラスを見ていると、来なかった人には、日頃から勉強に取り組む姿勢に問題のある人が間違いなく多かった。やはりそういうことなのか・・・。悩ましい問題である。