一流は小技を使わない



 考査中の11月30日、教員向けの「校内進路研修会」という会が開かれた。毎年1回、全国の「一流」らしい公立高校の先生を招いて話を聞くのである。私のような天の邪鬼でも、案外面白いと思う。今年来たのは、岡山県岡山朝日高校の先生であった。やはり面白く、感心させられることが多かった。

 毎年思うのだが、「一流」の学校は、目先の結果ばかり求めたりせず、特別なことに手を出さず、基本的なことを非常にしつこくやっている感じがする。また、学校の外からの声に振り回されず、自分たちの姿勢を自信を持って外にアピールし、理解を求めるというのも共通だ。

 高校も少子化の中で、激しい受験生獲得競争を強いられており、その中で宣伝材料を作るために、いろいろと新しい企画を立ち上げる。しかし、日頃「基本の大切さ」とよく言う通り、本当に大切なものは単純で、策は弄すれば弄するほど本質から遠ざかる。「一流」の学校は、その辺のことをよくわきまえているなぁ、と思った。