石油は絶対に再生できない



 4連休に先立つ5月1日、世間ではガソリンが160円になった、と大騒ぎであった。今回は税金がらみであったが、たとえ税金がかかっていなかったとしても、ガソリンなんて300円にでも、500円にでも上がって当然なのだから、160円で騒いでどうする、と私は斜に構えていた。石油(化石燃料)は燃やせば無くなって、少なくとも私たちの時間的スケールの中では二度と再生されない。しかも、食料から電子機器に至るまで、石油の力を借りずに作られているものなど皆無に等しいのだから、需要は増すばかり。つまり、代替エネルギーが存在しない(風力とか原子力による電気、などと言う人もいるが、実におめでたい。石油なしでは、風力発電機や原子力発電所を作ることも維持することもできっこない)以上、石油は高くなり続けるのである。長い話になるので、今日はこれ以上触れないが、問題は、160円のガソリンではなくて、ちょっとした石油の値上がりで大きなダメージを受ける私たちの生活の構造そのものなのである。

 一度、1リットルの石油を、絶対に再生できない、かけがえのない、人類の財産だという思いでじっと見つめてみるとよい。160円だから、金さえ払えばどんな使い方をしてもよい、というものではないのではないか?近い将来、石油が1リットル5000円くらいになった時、ああ、あの時あんな使い方をするんじゃなかった、と思うことはたくさんありそうだ。もちろん、教室の電気のつけっ放しや、健康体のエレベーター利用などあり得ない。