「千人の交響曲」演奏会に被災地の高校生を招待



 という見出しの記事が、今日の『河北新報』「あすへ 3・11掲示板」というコーナーに載った。依頼したのは、実は私である。

 一週間ほど前、愛知ボラセンの代表者から電話がかかってきた。話を聞いてびっくり仰天!中京地方のアマチュアオーケストラが、マーラーの没後100年を記念して、昨年からマーラー交響曲全曲演奏を行ってきたが、その最終回に当たる7月15日、第8番の演奏会にバス1台分の被災地の高校生を招待したい、人集めが出来るか?というものだった。

 マーラー交響曲第8番とは、私が今年1月16日に「絶叫の快感」と題して書いた、あの曲である。その時にも書いたが、マーラー自身が指揮をして、1910年にミュンヘンで初演した時の演奏者は、1030人であった。とにかく大編成を要求する曲なので、演奏される機会が少ないばかりでなく、演奏する場合でも、その半分以下の人数で行われることが普通だと思う。ところが、今回、名古屋では本当に1000人で演奏するという。私は既にプログラムを送ってもらったが、想像を絶するような巨大プロジェクトで、名古屋という特殊な風土の中でしか実現しないことだな、と思う。そして、そういう場に居合わせることの出来るチャンスは滅多にない。これはおいしい話だなぁ、と思う。

 しかし、往復夜行バス、現地1泊の1泊4日(7月13日夜発〜16日朝着)で、この企画に参加しようという高校生がどれだけ現れるかについて、私は少し悲観的だ。理由は、第一に、マーラーの第8交響曲は真の名曲であるが、その価値を理解する高校生は非常に少ない、第二に、今の高校生は忙しいので、時間が取れない、特に吹奏楽コンクールがこの直後にあるので、この手の音楽に興味がありそうな生徒に限って動けない、第三に、情報を周知させるのが難しい、そして第四に、身近な人がやっているわけではないので、なんとなく不安だ、というあたりであろう。

 というわけで、この記事によって少なくとも第三と第四は解決するはずなので、宮城県内の知り合いの高校生、或いは高校生にコネを持っている人にぜひこの話を紹介して下さい。場合によっては、中学生もOKです。そして、私のメールでも、このブログへの書き込みでも、以下の募集用メールでもいいので、連絡を下さい。正式な申込用紙を送ります。よろしく。

【演奏会情報】

名古屋マーラー音楽祭第2部 交響曲第8番演奏会

指揮:井上 道義

独唱:菅三英子、小川里美、小林沙羅、三輪陽子、リャン・ニン、高橋淳、三原剛、オットー・カッツァマイアー

管弦楽:名古屋マーラー音楽祭フェスティバルオーケストラ(中京地区10のアマチュアオーケストラ所属の精鋭150名)

合唱:名古屋マーラー音楽祭フェスティバル合唱団(愛知県合唱連盟所属の12の合唱団から850名、うち100名は児童合唱)

会場:愛知県芸術劇場大ホール

申込みメール:mahler_sym8_nagoya@yahoo.co.jp

締め切り:5月31日(木)厳守

(その他は今日の河北新報参照)