就職への道・・・解禁から1ヶ月



(10月19日付「第2次月曜プリント」より訂正して転載)

 諸君にはまだ遠い話かも知れないが、3年生は、9月16日に解禁された就職試験の1回目の結果がほぼ出て、今から第2ラウンドという緊張感のある状況になっている。震災があり、地元企業が大きなダメージを受けるという、何かと話題の多い今年の就職事情である。

 さて、今年は求人が来ないのではという心配も多いが、概要として、石巻管内とそれ以外の宮城県内からの求人は昨年の約半分、県外は微増、トータル9割弱である(10月12日現在)。私は、宮水と言えば地元水産業というイメージが強かったのだが、意外にも、昨年までも県外求人が圧倒的に多かったので、管内・県内が震災によって半減しても、影響はさほど大きくないらしい。

 これに対し、実際に受けた生徒は6割弱が合格し、この合格率も例年並みということだった。

 これらの数字を、諸君がどう見るかは知らない。身近な求人は激減したが、県外からの求人(同情求人?)が少し増え、合格率は例年並みとなると、なかなか順調、今年も宮水の進路決定率は100%だ!という期待が生まれそうだが、担当の先生によれば、それは甘いそうである。第1陣に比べ、出席率でも成績でも部活等の実績でも劣る2次募集組は、例年よりも相当な苦戦が予想されるとのことだった。企業だって生き残りの大変な時代だ。被災地の高校生に同情の手は差し伸べるにしても、それは決して無制限なものではない。しかし、真面目にひたむきに高校生活を送った生徒にとって、就職が例年以上に難しいということもなかった。結局、そういうレベルでは、震災はあまり問題にならず、問題になるのは、日頃から先生にあれこれと文句を言われるレベルの人たちなのである。

私見:今年は同情求人があるからまだよい。来年度以降、ほとぼりが冷めて同情求人が来なくなり、かつ、地元企業が復旧しなければ・・・その時は、いい加減な高校生活を送る人たちにとって更に厳しい状況が生じるだろう。問題は、今年よりも来年、再来年かも知れない。)


(注)10月19日の記事が長くなりすぎるので、20日に掲載しようと思いながら、時事性のある記事が優先となり、時差が出来てしまった。実物には具体的な数字を載せてあるが、差し障りがあるのを恐れて上のようにした。

 裏面には10月17日付『朝日新聞』から、「ひと」(48時間走の女子世界記録を持つ稲垣寿美恵さん)、「ニュースが分からん」(脂肪税について)を引用。48時間で397.103キロを走ったというのは驚異だ。こんなに苦しいことをなぜするのか?ここには、楽であることだけがいいのではない、人間にとって幸せとは何かを考察するための重要な材料がある。