スマホと核兵器

(2月2日付け「学年だより№79」より)


 今日は節分(豆まきの日)。例年は2月3日である。それが2日になるのはなんと124年ぶりなのだとか。地球の公転周期が365日ちょうどではなく、約6時間長いことによって太陽と地球の位置関係がずれる。節分がずれるのは、その調整のための方法の一つである。
 私がすごいと思うのは、この時間のずれは、現代の精密な天体観測技術によって初めて観測できるようになったのではなく、相当大昔から知られていたらしいということだ。昔の人は自然と密着し、自然から大きな影響を受けて生活していたから、自ずから自然を見る目も鋭敏になったのだろう、と想像する。本当は、人間と自然との関係なんて、今でも変わっていないのだけれど・・・。
 節分の翌日は立春と決まっている(正しくは、立春の前日が節分と決まっている)。暦の上では、明日から春。


【短歌の続き】

(ブログ用の注:私以外の2人が選び論評した作品は省略)

〈特別賞〉祖父逝きて静かなみそか冬の夜思い出ばかり降り積もる雪

 俳句、短歌を通して、この作品だけ、3人が共通して選んだ。「秀」とした人はいなかったが、誰が見ても優れていると思わせるものがあるのだ。そこで「最優秀賞」ではなく、「特別賞」とした。
 「降り積もる」が掛詞的に使われているのが効果的で、祖父を偲ぶ気持ちと、雪の降る夜の静けさとの重なり合いがうまく描き出されている。おじいさんも天国で喜び、孫の成長を優しく見守っているはずだ。

 ところで、私たち自身がとても驚いたのだが、実は、昨年ここに発表した優秀作品の作者で、今年も入選したという人はたった1名である。また、昨年は、塩高国語科が選んだものと、外部の審査で選ばれたものが、これまたほとんど重なっていなかった。

 諸君の作品は、約束通り「原阿佐緒短歌賞」「塩竃市ジュニア俳句コンクール」「伊藤園お~いお茶 新俳句大賞」に応募した。昨年のことから考えると、今回ここに載らなかったものこそ、外部審査で入賞の可能性が高いということになる(笑)。お楽しみに。


【就職へ向けての一歩始まる】

 コロナ禍による一部業種の失速が言われるようになって久しく、状況は日に日に厳しい。厚生労働省が1月29日に発表した今年の有効求人倍率は1.18倍。昨年から0.42ポイントの下落で、これは45年ぶりの大きな下落幅なのだそうだ。この下落は今後も続くと見られている。大丈夫。求人倍率が何倍だろうが、実力のある人は合格する、ない人は落ちる。進学でも就職でも、ただそれだけ。
 それでも、就職希望者諸君に万全の準備をしてもらおうと、今月、以下のとおり研修の場を設ける。ここで全てが身に付くわけではない。就職試験へ向けて、まずはそのプロセスを知り、自分のモチベーションを上げる機会として利用しよう。
*2月4日(木)普通科、5日(金)ビジネス科:                 就職ガイダンス(ハローワーク主催)1日中、西キャンパスで研修を受ける。
*2月8日(月)放課後:就職希望者説明会(塩高進路部主催)


裏面:1月15日付け毎日新聞より、「くらしナビ」欄「スマホが脳を乗っ取る?」を貼り付け。
平居コメント:最近『スマホ脳』という本が話題になっている。とてもよく売れているらしい。ところで諸君は、1月22日に「核兵器禁止条約」が発効したというニュースが流れたのを知っているだろうか?同時に、日本政府がそれを批准していないことに対する批判も・・・。その辺の事情や、核兵器を巡る世界の動きはぜひ各自で調べてみて欲しい。
 さて、スマホに関する記事の下に、全然関係なさそうな核兵器のことをなぜ書くかというと、人間は一度持ってしまった技術を使わないことが可能なのか?という点で、両者は共通すると思うからだ。
 おそらく誰が何と言おうと、諸君はスマホを手放せないだろう(思い切ってやってみると、案外簡単ですっきりするのだけれどね=笑)。まして、戦争という命がかかっている場面で、持っている武器を使うな、と言うのは難しい。ではどうすればいいのか?それを考えることこそ「考える」ということなのだよ。

(ブログ用の注:私の核兵器禁止条約についての考え方は→こちら