水平線と肉じゃが

(5月11日付け「学年主任だより№5」より)

 
 今日は「まん延防止等重点措置」の最終日。体育祭が予定されていた日(第2案)でもある。大阪や東京と違って、4月の半ば以降、宮城県内の新規感染者数は急速に沈静化し、めでたく宣言は解除というわけだ。とは言え、県独自の「緊急事態宣言」は継続で、飲食店の時短営業もまだ続く。
 それにしても、先が読めないのは「コロナ」である。1ヶ月前には、10万人あたり感染者数で全国トップ(ワーストと言った方が正しいか?)だった宮城が、今や大阪の7分の1以下で、下から10番目。一方、昨年、安全そうだから修学旅行の新しい目的地にしようかと言っていた奈良県が堂々の5位入りだ。びっくり!!
 それでも、連日30人前後の感染者が出ているというのは、昨年の今頃なら真っ青になるような状況だし、しょせんは「今」の話。半月後、1ヶ月後にどうなっているかは正に「God knows.」だ。体育祭を更に1~2ヶ月延ばしたことが、吉と出るか凶と出るか・・・。政教分離の公立高校でも、神に祈るしかない、か?


【祝 第22回原阿佐緒短歌賞入選作正式発表!!】

 3月24日に「学年だより№85」で、事務局から電話があり、3人に贈られる最高賞のうち2人が塩高生に内定した、と言われたことを書いた。その後、間違いなく本人が作ったものだという誓約書を提出したりなどし、先月末、ついに最終的に決定した、という通知が届いた。すご~~い!

優秀賞(小池光選)
あの先に何があるのか水平線いつか必ず確かめに行く  C

優秀賞(皆川二郎選)
自粛中憂いに沈む食卓に幸せ運ぶ母の肉じゃが     H

 Hさんは、昨年度の塩釜ジュニア俳句コンクールでも塩釜神社志波彦神社賞を受賞したし、Cさんは、一昨年度から2年続けて国語科教員による優秀作品(→参考記事)に選ばれた唯一の生徒だ。2人ともまぐれ当たりではなく、本物の実力があるということだろう。
 今回の入選作は、私たちが選ばなかったものだが、私は印象に残っている。いい作品だと思ったが、他の生徒による多くの作品の中にあると、逆に「整いすぎている」と感じられて落としたものだ。今、これらだけを取り出して、他のものと比べることなく見てみると、確かによくできているな、と思う。
 他の生徒諸君には、これらの作品に難しい言葉が一切使われていないことに注目して欲しい。いい作品を書こうとしたときに、ありふれた言葉ではだめだ、と考えてしまう人は少なくないように思う。だが、そうではない。表現において本当に大切なのは「中身(言いたいこと)」であり、「言葉の組み合わせ」なのだ。