まわりの人を幸せにするために

(2月10日付け「学年だより№80」より②)


【プレゼンの力を!・・・普通科「社会問題研究」発表会】

 学年レクに先立つ5時間目、昨年末から取り組んでいた「研究」の発表会が行われた。なんとなく気になったので、ごく短時間ではあったが、発表の様子をいくつかのクラスで見せてもらった。配布付された資料を見てみると、作業が丁寧で、国語の課題もこれくらい丁寧だといいのに、とため息をつきたくなるくらいであったが(笑)、発表はイマイチだった。たいていの人が、声が小さく、話すのが速い。聞いている人たちの様子を窺うことも一切ない。
 人に向かって話をする、いわゆるプレゼンテーションの能力は、近年様々な場所で重要視されている。AOや推薦入試でそれを課す大学も多い。就職試験の面接だって本質は同じだ。特別な技術なんて必要ない。大切なのは・・・

・人に伝えたい内容があり、それが情報としてきちんと整理されていること。
・相手に伝えたい、分かって欲しい、という気持ちを強く持っていること。

に尽きる。これらがあれば、相手の反応をうかがいながら、大きな声ではっきり話せるだろう。これらは、毎日が「授業」というプレゼンテーションの連続である私たちが、日々課題として実感していることである。


【自分のまわりの人を幸せにするために・・・】

 予定通り、就職希望者のためのふたつの研修会が開かれた。欠席者はほぼゼロで、受講態度も良好。まずはいいスタートを切ることが出来たのではないか?
 評定、出席、部活、資格で実績を重ねることの大切さ、就職決定までのプロセスなど、実務的な情報も大切だが、私が特に印象に残ったのは、「説明会」で心がけの問題として語られた「自分のまわりの人を幸せにする」という意識の部分だ。あぁ、確かにそうなんだよなぁ、と、深く納得しながら聞いた。
 しかし、よくよく考えてみると、この心がけは、就職者だけの問題でも、高校生だけの問題でもない。どんな立場でも、何歳になっても、大切にしたい生き方の基本だ。そして、基本は常にシンプルで難しい。


裏面:2020年10月9日付け朝日新聞「朝日歌壇『番外地』」欄(見出しは「コロナ禍の日常にユーモアを」)と、2021年1月28日付け河北新報サラリーマン川柳入選作」を貼り付け。
平居コメント:先週と先々週、2回に渡って俳句、短歌を特集したので、今週は裏面でそれに関連した記事を取り上げてみる。季語にこだわらない、ユーモアのある5-7-5の短詩を「川柳」と言うのはよく知られた話だが、それと同様の作業は短歌でも可能だ。このような遊びの中にこそ、言葉の豊かさはよく感じられるようにも思う。ただし、それは言葉や文学についての多くの知識によって支えられる。知識がなければ、特にパロディの面白さなんて全然分からない。