軽きに泣きて 三歩あゆまず

(2月10日付け「学年だより№80」より①)


 一昨日、私が車を運転している姿を目撃した生徒が、ごく少数ながらいたはずだ。これは本当に貴重な体験!宝くじなら、1等とは言わないけれど、3等か4等が当たったくらいの希少価値だ(笑)。なにしろ、温暖化を筆頭とする環境問題は、コロナはもちろん、核戦争より多くの犠牲者を生むはずだと思っている私は、資源(特に化石燃料)の徹底節約に日々心掛けていて、最低でも「自家用車は禁止」という極端(危険?)思想の持ち主なのである。
 では、そんな私がなぜ車を持ち、学校に車で来る事態になったかというと、その前の日の夜、一人暮らしをする年老いた母が転んで救急搬送されたという連絡が入り、病院に直行、そこから学校に来たからである(幸い軽傷)。母の生活支援や緊急対応というのが、私が車を手放せないほとんど唯一の理由だ。
 ふと啄木の歌が頭の中に思い浮かぶ。
たはむれに母を背負ひて そのあまり軽きに泣きて 三歩あゆまず
普通科は、昨年度「現代文」の授業で勉強した。言葉が平易なので、ビジネス科の諸君も分かるよね。)
 私の場合は「たはむれ」ではないので、「三歩」で下ろすわけには行かない。まるで反比例するかのように、軽ければ軽いほど重い「老いの哀しさ」を感じる。


【できてよかった2学年レク】

 感染者数の増加によって、宮城県でもレベルⅡへの変更が宣言され、1、3学年が早々に学年レクの中止を決めた中、2学年は「校庭」という発想の大転換(?)で学年レクが実現した。1時間限りのささやかな企画で、どこで誰がどんな人を探しているのかもよく分からない「借り人競走」ではあったけれど、みんなでわいわいガヤガヤやっていると、なんとなく楽しい気分になってくる。「中止」するのは簡単で、感染者の発生=批判を避けるのにも確実だ。だが、それでは面白くないし、諸君が成長のチャンスを失うことにもなってしまう。(←HR委員諸君は、今回もよく準備を進めてくれた。感謝、感謝。)
 ところで、せっかく集まるのだから、短時間の企画とは言え、全員が出られるように工夫して欲しいというビジネス科からの強い要望により、HR委員諸君は「だるまさんが転んだ」を種目に加えた。私自身は、350人全員によって行われる「だるまさんが転んだ」をイメージできなかった。だからこそ面白いとも思い、楽しみにしていたのだが、残念ながら、時間切れで実現しなかった。「1種目残して終了」が、この学年の伝統になっていきそうな勢いである。仕方がない。また次の機会(3年生になってから?)にやろうではないか。