人間ドック・修学旅行・金本引退



(9月20日付学級通信より・・・私が水曜日に比較的時間を取りやすいものだから、最近はすっかり「木曜プリント」になっています。)


 1週間以上も前の話になるが、9月7日、仙台市内の某病院に「人間ドック」というのに行った。この年齢になって、人間ドックが「初めて」だと言うと驚かれる。私は昔、2度も大病を患ったことがあるので、病院との付き合いはおそらく人よりも多い。「だから」なのか、「にもかかわらず」なのかは知らないが、病院という場所は苦手だ。それが、この歳までドックに行ったことがなかった重要な理由である。

 幸い、その日のうちに結果が分かった分については、何の異常も発見されなかった(最終結果は未着)。毎日、E2の教室でストレスの多い生活をしているのに(笑)変だなぁ、と思う。ともかく、結果を知らされる時には、それなりにドキドキするし、大嫌いな病院という場所で、患者として来るのは嫌だな、と思うにつけても、健康のありがたさをしみじみと感じることであった。

 異常なし、とされたドックであるが、この1年間で体重が3キロ増えていた。忙しい毎日の中で、運動する時間を確保するのがあまりにも苦しいので、今年は日常的に走るのを止めてしまっていた。ところが、最近、I先生に校内マラソン大会での「打倒平居宣言」(私はI先生に勝ったことなどない。過去2年間より大きな差を付けて平居に勝つ、ということだろう)をされたことでもあるので、11月15日まで2ヶ月間、期間限定で走ろうかと思っているところである。


【修学旅行と「世界を広げる」】

 先日、修学旅行(12月16〜18日)の2日目について、諸君の希望を聴いた。結果はUSJの圧勝。海遊館に行きたい人は誰もいなかった。聞けば、他のクラスでも似たり寄ったりの結果だったらしい。その結果、教員側としては、出来るだけ全員の希望に添うように、選択式(USJにも海遊館にも行かない、を含む)で対応できないか検討中である(旅行社に相談中・・・精算が面倒になるからね)。

 私は天の邪鬼なので、逆に、諸君が行きたいと言う所には行く必要がないと思っている。そういう所は、将来、自分で行くチャンスがあるからだ。学校は、諸君が目を向けそうにない所で、諸君が見ておいた方がいい場所、見ておくことによって、今すぐではなくても、豊かな発想のもとになりそうな場所に、無理矢理連れて行ってこそその役割を果たす、と私は思っているのだ。

 そんな考え方(これは「背伸びせよ」という方針通りだ)をする私にとって、今日の6校時に行われる「K先生、A先生の海外視察報告会」について、昨日諸君が示した「いらね〜」「どうせ面白くねぇべゃ」という反応は、はなはだ残念だった。面白いか面白くないかは聞いてみなければ分からないし、面白くないと思ったものが、将来に至るまで無価値であるとも限らない、仮に面白くなかったとして、それが話す側の問題なのか、聞く側の問題なのかと考えた時、後者である場合は決して少なくない。だからこそ、素直に謙虚に前向きに、物は見、人の話は聞くべきなのだ。諸君はまだまだケツが青い。


(裏面:9月13日付『河北新報』より「金本が引退表明」、同『読売新聞』より「編集手帳」)

平居コメント:私がこういうスポーツ記事を引用するのは珍しい・・・かな?色々なことを思う。

1)ドラフト4位での入団には価値がある。

 1位指名で入団した人が、前評判通りの活躍をしても面白くない。さほど期待されていなかった人が、努力によって上位指名の人を追い越して一流となる。その可能性にこそ、私たちは夢もロマンも感じることが出来る。金本は、それを示してくれている。

2)何事も続けることこそ大変だ。

 諸君には実感が湧かないだろうが、私の年齢になると、その大変さが実によく分かる。最下段野村克也氏の話にある通り、そこには「誰にも負けない努力」があったに違いない。最も頭の下がる所だ。

3)2〜3割の喜びのための7〜8割の苦しみ。

 「一問一答」を読んでいて、珍しいほど素直・正直なコメントだな、と思った。金本ほどのスタープレーヤーにして、喜びを感じることが出来たのは2〜3割。そのわずかな喜びのために、7〜8割の苦しみを耐えていたのだ。

 私は、誰の人生でも似たようなものだと思う。そして、7〜8割の苦しみがあるからこそ、それによって得られる2〜3割の喜びが重く、輝くものになるのだ。

 それにしても、1492試合連続フルイニング出場という輝かしい大記録が、記録を伸ばし続けている最中ならともかく、達成されて2年以上経っても「つらい記録」と表現されるとは、想像を絶する世界である。