若者の政治意識

(12月9日付け「学年だより№72」より)


 諸君がどれだけ意識していたかは知らないが、今日は修学旅行の出発予定日であった。
 私は毎朝、新聞を手に取ると、ついなんとなく、奈良や三重の前日の感染者数に目が行ってしまう。ほとんど条件反射のようなものだ。12月に入ってからの1週間(12月1~7日)を見てみると・・・
  奈良183人  三重99人  宮城108人
 奈良の人口は宮城の約6割、三重は約8割なので、人口比で感染者数を考えると奈良は3倍弱、三重は1.2倍となる。修学旅行の目的地を三重・奈良に変更して実施すると決断した10月半ば過ぎには、それぞれ宮城県の3分の1、5分の1くらいだったから、この1ヶ月半でそれらの県の状況は劇的に悪化したことになる。しょせん「結果論」とは言いつつ、こんな数字を見ると少しだけあきらめが付く。諸君はどう思うだろう?

 さて、昨日は太平洋戦争の開戦記念日だった。あの真珠湾攻撃が行われた日である。それから79年が経過した。
 ( )月( )日(=自分で数字を入れなさい。一般常識です)の終戦の日が大きく取り上げられる割に、こちらの扱いは小さい。終戦は、行き詰まって負けを認めざるを得なくなったわけだから単純な話だが、開戦は、それに先立つ長いプロセスがあり、多くの政治的判断を積み重ねた結果である。戦争の教訓を考えるには、開戦のプロセスを考える方がはるかに重要だ。
 私には、昔の人より今の人の方が賢い、だから、今の人は戦争を始めるようなバカなことはしない、とはとても思えない。目の前の利益ばかりを考えていると、世の中にどんどん無理が溜まってゆき、やがては大きな問題(戦争とは限らないかも)が発生する。今がその途上でないのかどうか・・・常に社会について知り、考え、意思表示して行くことが大切だ。(裏面も関連)


裏面:11月24日付け毎日新聞より「若者ほど『内閣支持』」を貼り付け。
平居コメント:若者の現政権支持率が高いという話は、しばらく前からよく耳にするが、これほどはっきりした形で示されると、今更ながらに驚く。
 政治というのは、ひどくどろどろした駆け引きやお芝居(パフォーマンス)が幅をきかせる世界である。人間社会の反映と言えばその通りなのだが、お世辞にも、きれいな世界とは言えない。
 従来、若者は無垢で正義感が強いから、そんな政治には反発し、老人は保守的な気質が強く、現状変更を望まない、と言われてきた。この記事(=現状)はそんな一般論と真っ向から対立する。
 もちろん、若者と老人、どちらが正しいとは言えない。だが、少なくとも、なぜ違うのかは考えてみる必要があるだろうし、そのためには、今の政権が何をしているのか、国会でどのような議論が行われているのかを正確に知ることが必要だ。その上で、それが10年後、20年後、更には50年後にどんな影響を及ぼしていくのかを考えなければならない。諸君も来年は主権者(投票権を持つ人)になる。

 

(これ以外の記事は省略)