素直な心と前向きな気持ち



(4月30日付け学級通信より)


 土曜日、PTAの様々なイベントが一切終わった後、1年生の国語総合の教科書を前に、授業を担当しているK先生と、今度先生が授業で扱う教材について、いろいろな話をした。K先生は、大学を卒業したばかりの22歳。講師の経験さえないバリバリの新任教員だ。K先生と話していると、新人っていいなぁ、と思う。実に関心。教材について相当熱心に予習をしたと見えて、ノートには細かい字がびっしりと並んでいた。

 延々1時間半にわたり、その文章をどう読むか、という議論をしたのだが、これだけしっかりと予習が為され、少しでもいい授業をするために自分自身がしっかりと学びたい、という意欲があると、私も刺激され、新鮮な発見がある。

 しょせん1年生の最初の方で扱うたった4ページの随想である。それでも前向きな気持ちで読むと、いろいろな読み方の可能性が見つけられるものだな、とつくづく感心した。そういえば、以前、文学(文章)に向かう時の大切なものとして、「素直な心と前向きな気持ち」という話をしたことがある。憶えているかな?


【PTAにおける進路の話】

 3学年PTAを中心に、進路についての話が多かった。私が気になったいくつかの点について書いておこう。

*平成24年度も、宮水は進路決定率100%を達成したが、残念ながら3月の研修中に3名の辞退者が出てしまった。

(平居コメント:内定さえ取れればいい、それで安心、という発想はまずい。じっくりと考えて、本当に自分がしたい仕事、行きたい会社に就職しなければ・・・。宮水の信用問題と考え、卒業後短い時間での離職をどう防ぐか考えるべきだ、という声も先生方の中からは出ている。)

*コミュニケーション能力がますます求められるようになっている。

(同:当然だ。その人の能力が低くても、人と力を合わせられれば、いい仕事は可能だからね。問題意識を持って日々生活することが最も大切だが、カウンセリングなどを積極的に利用してみるのもアリだ。)

*会社見学に行った人が内定をもらう確率は、行かなかった人より13ポイント高い(昨年度実績)。

(同:これは、会社見学に行けば、試験の際に優遇してくれるということではないだろう。見学に行った人の方が、手間をかけても自分に合った会社を探そうという意欲が強く、生きる姿勢として積極的、前向きで、そのことが自ずから採用選考の時にも表れたに違いない。会社見学は、自分の意思を固める上でも重要なポイントになりそうだ。)

*学級懇談会での私の発言

「私は、3年生の担任として就職する生徒に付き合うのは、初めてです。大学受験生しか相手にしたことがないので、何がどう進むのかよく分かりません。しかし、これは決して悪いことではないでしょう。担任が何かをしてくれないから出来ない、というのでは困ります。自立し、自分の人生は自分で切り開いて欲しいと思います。」

1割は言い訳(責任逃れ)で、9割は本心。そう言えば先日、進路指導部長が「進路室に相談や資料の閲覧に来た人が既に10人を超えた。例年になく出足が早い」とほめていた。そう、自分の人生は自分で切り開くしかないのだ。


【4月23日から5月12日まで、子ども読書週間】

 つい先日、司書のA先生に教えてもらうまで、こんな「週間」の存在は知らなかった。調べてみると、4月23日は「サンジョルディの日」で、「世界図書・著作権デー」にもなっているなかなかに由緒正しい記念日なのだそうだ。「サンジョルディの日」といえば、その時期、書店で本を買うと「サンジョルディくじ」というものをもらうので知っていた。スペインでは、この日、女から好きな男に本を贈る習慣があるということだ。しかし、私は、バレンタインデーを真似た書店の営業活動にしか思っていなかったのである。

 実は、意外にも(?)、私は読書の価値に懐疑的だ。頭でっかちは偉そうにするばかりでロクなことがない。だが、本を読むという面倒なことをしてでも、自分の価値を高めたい、何かを知り、世界を広げたい、という衝動には価値がある。それは間違いなく、自分を内側から支え、その人を成長させるだろう。


(裏面:4月10日付け『産経新聞』より、「きょうの人・・・見目律子さん『学べるというのは本当に幸せなこと』」を引用。見目さんは、今春81歳で東京の定時制高校に入学した。

平居コメント:原点、原点。

4月25日付け『読売新聞』より、望月京「芸術は生きる知恵を育む」を引用

平居コメント:ちょっと難しいかもね・・・、ま、たまにはこういう文章に挑戦するのもいいさ。)