ダニアレルゲン その後

 今年の1月に、愚息の布団のダニアレルゲン調査の結果について一文を書いた(→こちら)。愚息の布団には、関東地方のぜんそく患者の布団にいるダニの160倍のダニが生息していながらぴんぴんしている、という話であった。その結果が届いたとき、また次の調査のためのシールが入っていた、というところまで書いた。
 私は再び愚息の布団にシールをペタペタして、埼玉県の病院に送った。4月だったか、結果が届いた。昨年の秋に6023ng/㎡(以下、単位略)だったのが、1065に下がっていた。結果表と共に、春の調査用シールが同封されていた。また送った。それが8月の末に返って来た。1517である。昨秋に比べればかなり低いが、それでも高い。次のようなコメントが付されていた。

「一般的に、ダニアレルゲンは秋に多く、冬に低下する季節変動があると言われています。今回2回以上測定できた方の多くはこの傾向と同じですが、一部のご家庭ではむしろ冬や春にダニアレルゲン量が増加していました。このことから、一度結果が低かった、ということだけでは安心できません。」

 なんだ、1月に1065に下がったのは、ただの季節変動だったのだ。春に上昇しているから、おそらく、今ペタペタすれば、昨秋と同じような結果になるのかも知れない。大丈夫。私は安心なんかしていない。最初から気にしていないだけである。
 また採取シールが2枚同封されていた。前回と同様、現在のダニアレルゲン量を知りたければ9月30日までにペタペタして返送するように、必要なければ、シールが高価なのでそのまま返送してほしい、というお手紙も同封されていた。数日前、あっ、もう少しで9月も終わると思い出し、今回はもう調査を辞退することにした。ダニ撲滅のために努力しているならともかく、何もせずにいて、高値であることを楽しんでいるような人間が、面白半分で調査を依頼するのは失礼だし、データを乱すことにもなると思ったのである。そこで、アンケート用紙の小さな通信欄のような所に、以下のように書いて、未使用シールを返送した。

「ダニは大量にいるようですが、ピンピンしています。病気にならない限りにおいて、人間は汚い環境に耐えられた方がいいので、放置します。ご心配ありがとうございました。」

 これを読んだ先生は、どう思っただろうか?変なやつだなぁ、と思ったか、こういう阿呆がいるから世の中はよくならないと思ったか・・・?いや、案外、先生も清潔すぎる環境を作ることで、ますます人間をひ弱にすることの問題は感じていて、研究テーマが必要だったり、勤務先の病院や医局からの命令で仕方なくやっていたりするのではなかろうか?ふとそんな思いが心をよぎった。真偽は知らず。