イランの切手



(裏面:11月20日朝日新聞生命倫理で大胆な判断=イラン、宗教が生む医療の差」西川伸一氏筆)

 国が違えば文化が違う、というのは当然の話。この記事を読みながら思い出したのは、下のような切手だ。これは、1983年、私がイランを旅行していて見つけた切手だ。

 左はアメリカ大使館襲撃記念切手(キャプションとしてThe take over of the U,S spyden=アメリカのスパイの巣を占拠、と書かれている)、右は国連批判切手である。右は少し見えにくいかも知れない。国連ビルから伸びるVETO(拒否権)と書かれた不気味な腕(五本の指には略称で安全保障理事会常任理事国名が書かれている)を、イランの国章の付いた剣が切断している、という異常なデザインだ。

 イスラムは激しい!と早計に判断してはいけない。太平洋戦争当時の日本にも、私達には全く理解不能な様々な文化があった。とすれば、何が不変の(固有の)文化で、何が時代の文化かはなかなか判断が難しい、ということになるし、それらがどのような関係にあるか(無関係とはいくまい)も興味深い問題である。