餃子はうまかった・・・3年生の特別授業



(2月29日付学級通信より)

 月曜日の考査終了時に、K先生が私に代わってE1に顔を出してくれたのは、私が調理室で3年選択現代文・特別授業というのをやっていたからである。授業中の何かの話をきっかけに、生徒が「ぜひ、平居先生の言う本物の餃子作りの実習をしたい」と言い始めて、卒業式前に実現した、ということである。

 まず最初に、私が若干の講釈を垂れる。

 曰く「本物の餃子とは、水餃子である。これは野菜料理に属するが、ご飯のおかずではない。皮が主食、餡がおかずである。だから、餃子を食べる時には、餃子以外のものはいらない。季節に限定はないが、白菜が採れる季節がメインなので、基本的に冬、特に正月には餃子を食べる習慣がある。以前、1月1日に、上海の港に停泊中の潜水艦の上で、水兵さん達がみんなで餃子作りをしているのを見て驚いたことがある。ともかく、通常、諸君が餃子と言っているのは、煎餃(チエンチアオ)とか鍋貼(クオティエ)という似て非なる別種である。当然、日本の街で売られている「餃子の皮」というものは、全て煎餃、鍋貼用の皮なので、世を惑わすこと甚だしい。水餃子用の皮は売られているのを見たことがない。そこで、もちろん本日は皮作りからスタートする。餡作りのポイントは、生姜なので、くれぐれも生姜を控え目になどしないように・・・」

 2時間かけて、和気あいあい、「本物の(?)」水餃子作りに精を出し、腹一杯餃子を食べて、一同ご機嫌であった。

 生徒諸君は、作ることに食べることにも、至ってひたむき真面目であったが、後片付けがまた見事であった。私が何も指示しなくても、あっという間に、調理室内をピカピカに掃除してしまった。ただ楽しかっただけで、ストレスはゼロ。

 そうなんだよな。この1年間、彼らの授業での取り組みを見ていて、信頼に値する、彼らは課外の餃子作りからでも学ぶ、と思ったからこそ、私は考査期間中で会議もない貴重な空白の1日に、彼らに付き合う気になったのだ。

 諸君も、あと2年でこんな風になれるのかなぁ・・・?