「やればできる」という言葉の使い方



(11月22日付学級通信より)


 中間考査ごくろうであった。(本当に「ご苦労」なのは私たちだと思うけど・・・)

 寒い。我が家はまだストーブに火を入れていない。朝起きるのが、少しおっくうになってきた。そろそろストーブの季節かなぁ、ズボンも冬用にするかなぁ、などと考えながら過ごしている。そして、やっぱり冬は南の方がいいなぁ、と思った瞬間、1ヶ月後に修学旅行で関西を訪ねることを思い出した。気になって調べてみると、昨日の石巻の平年気温は、最高が11.6度、最低が3.0度、12月16日の京都は、最高が11.4度、最低が2.8度で、ほとんど同じと言ってよい!やはり、石巻と関西とでは気候が1ヶ月違うのだな、盆地と海岸の違いというのも案外ないものだな・・・新鮮な発見だった。


【「やればできる」は、こういう時に使う言葉だ】

 昨日、国語の採点結果について第一報を伝えた。なんとタケちゃんがクラスで6位、平均点プラス20点を獲得するという大サプライズがあった。N2でもそれに匹敵する大サプライズが2人出た。T2は1月から遠洋航海実習ということで、今回が今年度最後の考査であった。赤点を取ってハワイに行けないのは困る、という強い危機感があったのだろう。T2の平均点は、学年の平均点を5点上回り、クラス別の1位であった。

 こういう時に、「やればできる」という言葉は使う。つまり、「俺はやれば出来るんだから・・・」と、自分が今しないことを正当化するために使うのではなく、実際にやった結果として出来た時に使うものなのだ。今回のような事例が今後も現れ、私がこの言葉を使う機会が増えれば、世の中は明るく楽しくなるだろう。


【そして、修学旅行の準備が始まる】

 12月16〜18日、関西に行く。昨年、震災直後の大混乱の中で、修学旅行を実施するかどうかさえ迷いながら決めたことなので2泊3日であるが、今にして思えば、なんだか少しもったいない。ま、それはともかく・・・今日のHRで日程確認、部屋割り、班分けを行い、来週から自主研修のコース決め等となる。

 私自身は、京都・奈良に行けるのが、諸君と一緒であったとしても(笑)、嬉しくて仕方がない。京都・奈良の寺社や庭は、その美しさとスケールにおいて別格!諸君にはぜひ「本物」と出会う感動を知って欲しいなぁ、と思う。

 私は高校が兵庫で、同級生がたくさん京都の大学に進んだので、その下宿に泊めてもらっては京都を訪ね歩いた。いつも、しみじみとした感動の得られる場所だし、何回行っても回り尽くすことが出来ないほど見所が多い。USJとかに行く人も多いのかも知れないが、自分で行きたいと思う所なんて、そのうち必ず行く機会がある。ここはひとつ、平居にだまされたと思って、京都の寺巡りでもしてみた方がよい。

 ただし、本物は全て、「素直な心」と「沈黙に耐えること」とを求める。つまり、E2にいま最も欠けているものを手に入れなければ(笑)、「本物」は諸君に感動を与えてはくれないのだ。ある意味で、とてもいいチャンスであろう。


(裏面:長尾三郎『飛天の夢 古寺再興』朝日新聞社刊より、203〜207ページを抜粋 

平居コメント:前回引用した文章の作者・小川三夫氏は、この文章に出てくる西岡棟梁(西岡常一)の弟子である。この人たちに関する文章を読んでいると、法隆寺薬師寺を作った知恵と技術のすごさがよく分かり、敬虔なとも言うべき感動無しには、それらの寺を見ることが出来なくなる。)