一昨日までに書いた場所しか私は行っていないのだが、手元にある資料を基に、多少の補足をしておこう。
延安市内に旅行会社はたくさんあって、様々なツアーを組んでいる。一日で、王家坪、楊家嶺、棗園などを回る数十元のツアーから、黄帝陵や壺口瀑布（黄河の滝）をまわる１日ではちょっと苦しい長距離ツアーまで、いろいろである。時間のない人には、それなりに便利だろう。
一昨日までに書いたものの他、『歴史文化名城 延安』には、以下のような旧跡が紹介されている。
（・は『延安市街区交通旅游地図』に場所が載っているもので、＊は載っていないもの。＋は地図にのみあって、『歴史名城』にないもの。後の（ ）は所在地、…以下は、その場に現在残っているとされるもの）
・中央西北局（宝塔区花石崖）…４０余りの窰洞、会議室、食堂などの建築物
＊豊足火柴場（宝塔区石疙瘩蘭家坪）
＊中央医院（宝塔区李家坬）…石門、手術室や外来診察室だった窰洞、記念碑
＊白求恩国際和平医院（宝塔区劉万家溝）…門、若干の窰洞、記念碑
・中央党校（宝塔区小溝坪）…数十の窰洞
・馬列学院（宝塔区蘭家坪）…記念碑
・八路軍軍政学院（宝塔区大砭溝）…記念碑
＊陝北公学（宝塔区楊家湾）…百余りの窰洞
・民族学院（宝塔区大砭溝）…５つの院落と２８の窰洞＝２００３年復旧
＊行政学院（宝塔区南関）…数百の窰洞と記念碑
＊中国医科大学（宝塔区柳樹店）
＊楊家湾民辨小学（宝塔区橋児溝鎮楊家湾）…窰洞
＊辺区児童保育院（宝塔区安塞白家坪）…発展改組した育才学校が南門坡にある
＊辺区民衆劇団（宝塔区大砭溝後溝）…記念碑
＊西北青年救国連合会（宝塔区大砭溝）
＊中山図書館（宝塔区大砭溝）…南関の延安図書館の壁にプレート
＊西北財経辨事処（宝塔区馬家湾）…現延安市農科所
＊光華商店（宝塔区市場溝）
＊中央軍委員会三局（宝塔区延店子）…博物館
＊美軍観察組（宝塔区延中内）…ストロングの旧居を含む８の窰洞と記念碑
・辺区高等法院（宝塔区南関東山）…２００６年に修復された建物と博物館
・辺区銀行（宝塔区市場溝）…博物館
＋延安大礼堂（宝塔区南関？）
＋陜甘寧辺区政府（宝塔区南関？）
＋中国女子大学（王家坪と楊家嶺の間）
この他、旧跡ではなく、モニュメントとして、「四八烈士陵園」がある。１路、３路、８路、１２路、１３路で巻烟場または蘭家坪下車、北に数百メートル歩く。「四八烈士」とは、１９４６年４月８日に重慶における国共会談に出席していた共産党代表団を乗せた飛行機が、悪天候のために墜落し、死亡した１３名（この時、他に４名のアメリカ兵が同乗して死んでいる）のことである。王若飛（中央委員）、博古（解放日報社長）、葉挺（新四軍軍長）、訒発（中共中央職工運動員会書記）などが含まれていた。この陵園には、「四八烈士」１３名だけではなく、関向応（中央委員）、張思徳（「為人民服務」で話題になった英雄）など延安で死んだその他の功労者を含めて、２８人が祀られている。
以上、１３回にわたって、長々と延安の中学革命関係旧跡について書いてきた。延安ガイドを書くことが目的の旅行ではなく、現地にいた時は、こんなものを書くつもりもなかったので、極めて不十分なものになってしまった。しかし、延安に関する日本語のガイドブックがないことでもあるし、これから延安を訪ねる人に若干の助けにはなるであろう。（完）
（補）延河大橋を中心とする中心部に、ホテルはたくさんある。しかし、外国人、日本人を相手にすることが極めて少ないらしく、格の低いホテルには、外国人を泊めてはいけないと思っている所さえあった。高級ホテルでも４００元（５０００円強）くらいなので、普通の日本人が恐れるには値しないが、私のように「バックパッカー」上がりの人間には抵抗のある金額である。私は右往左往の挙げ句「銀海国際大酒店」に朝食付き３３０元で泊まった。後から思えば、「抗大賓館」に泊まればよかった。値段は知らない。駅の近くにもホテルはたくさんあるが、やはり、観光の便を考えると、延河大橋界隈がよい。
しょせん「中国」である。食事の場所には困らない。ビールを付けて２０元（２５０円）にはなかなかならない。延安名物は香蝱麺くらいしか知らなかった。肉団子と椎茸の入ったそばである。ぴりぴりとけっこう辛くて、私の口には合わなかった。
延安でも、２４時間使えるＡＴＭがたくさんあって、カードで現金を手に入れるには困らない。
私は延安に３日半いた。主な所は、これで十分回れる。私は呉起、志丹で１日つぶしたが、これをしなければ、３日半で市内の旧跡は全て回れたと思う。『歴史文化名城 延安』に載っている旧跡を、呉起や壺口瀑布、黄帝陵のような１００キロ以上離れた所まで含めて全て回ると１週間といったところだろう。
