今年の山小屋HR



 一高山岳部が「山小屋ホームルーム」を主催するというので、この2日間、付き添いで山に行っていた。なんとびっくり!今年は20名の一般生徒が参加し、そのうち9人が女子という大盛況だった。

 昨日は、大六天で車を降り、歩いて刈田岳に登り、昼食。素晴らしい天気で、朝日連峰吾妻連峰、雁戸岳を始めとする北蔵王縦走路などがよく見える。昼食後、せっかくなので、お釜の水際まで連れて行ってやろうと、往復2時間のお釜ツアーをした。お釜も青空を映してか、今まで見たことのないような明るいコバルトブルーで美しい。雨が降らないため、さすがのお釜も水位が低く、通常、生徒が大喜びで水遊びをする西側のビーチが、すっかり干上がっていた。それでも、赤パンに履き替えて水に入る猛者がいる。

 山小屋に着いたのは3時を過ぎていた。私は小屋にいて、夕食の準備を手伝っていたが、井戸沢に水汲みに行った生徒は、男女を問わず、何名もが滝壺に飛び込んだそうである。恐るべし、一高女生徒!

 夜は例によって、延々とぐだぐだ話が続いた。

 朝、夕食も片付けも終わった後、出発まで時間があったので、皆が感想発表(スピーチ)をした。表現力は豊かとは言えないけれど、それぞれに新鮮な体験に対する感動を述べていた。

 私が一高を離れてからの3年間を見てみると、一昨年は1名、昨年は7名、そして今年は20名が参加。一昨年参加した硬式テニス部員は、結局3年間皆勤。昨年のメンバーのうち3名が今年も参加した。今年のメンバーは、実際どうなるかは分からないが、大半の生徒が、是非来年も参加したい、と述べていた。

 レストランや観光地と同様、リピーター率は本当の魅力の程度を表す。一見、このような文明度の低い生活を、今時の高校生は受け入れないような気がするけど、なんとなく好奇心ででも来てみれば、数々の魅力に開眼もするのだろう。ひたすらストーブの前に陣取って、真剣な表情で火を焚き続け、他の生徒から「火の神」と呼ばれていたK君(昨年に続き2回目の参加)の姿は、そんなことを象徴する。

 この次は、宮水のうちのクラスの生徒でも引き連れて、クラス合宿でもしてみようか・・・と自分の首を絞めるようなことをふと考えてしまった。場違いだからこそ、それはそれで思いがけない発見と変化の驚きが得られそうな気もするのだ。