貨物列車が走っている!!



 時間を確保するのがあまりにも大変で、ストレスになるので、今年は走るのをやめていた。ところが、9月7日の人間ドックで、この1年に体重が3キロも増えたことを知ったので、校内マラソン大会までの2ヶ月くらい走ろうか、ということを書いた(9月20日)。その後、ちょびちょびではあるが走りに出ている。

 今日は、比較的早く仕事が終わったので、ほとんど暗くなってはいたが、学校から北上川方面に走りに行った。水産高校も、年内には渡波に戻るような話が聞こえてくる。そうなると、私の大好きな北上川の土手も、なかなか走れなくなるなぁ、などと少し寂しさを感じながら走っては、適当なところで土手を下り、JR石巻線の線路に沿って引き返してくる。

 突然、私の近くの警報器が鳴り始めた。前方遠くに列車のヘッドライトが見える。変だな、この時間に通る列車はないはずだが・・・と思いながら走っていると、やがて列車とすれ違った。貨物列車であった。

 そういえば、今月9日に、津波ですっかり壊滅してしまったJR貨物石巻港駅日本製紙の工場内にある)が復旧し、1年7ヶ月ぶりに輸送を再開したというニュースが流れた。そこは我が家の近くであるが、それでも我が家から列車は見えないし、1日わずか3往復、しかもそれが一般の時刻表に載っておらず、運転時刻が分からないので、まだ1度も実際に貨物列車が走っているところを目にしていなかったのだ。

 今日、貨物列車を見た感動は、自分でも意外に思うほど大きかった。物流においても、石巻が日本の他の町とつながったのだという感慨がわき起こってきた。

 私はマニアと言うほど立派なものではないけれども、鉄道大好き人間である。しかし、なぜ鉄道が面白いのかと問われれば、鉄道に乗って旅行することについては、いろいろな理由が即座に思い浮かぶにもかかわらず、見ることについてはとんと見当がつかなかった。だが、今日、貨物列車を見ながら、確かにこの安心感は捨てがたい、と思った。1本のレールがあることによって、遠くの町とこの場所が、確実に結びついているのだということがよく分かる。決まった時刻に、一定のスピードで列車が通り過ぎていくということも、その安心感を強めているように思う。バスやトラックを見ていても、このような結びつきの安心感は絶対に得られない。

 今日私が目にした列車は、おそらく、紙を東京まで運ぶのだろう。自宅に戻り、今こうして私が机に向かっている時にも、東北本線をゴトゴトと走り続けているのだろう。そんな想像もまた楽しい。