天高く鳴くヒバリの声



 久しく筆が滞っていた。単にいろいろとやることがあったためである。

 新年度が始まった。身の回りの些末なことを書いておこう。

 今年は航海3年の副担任である。学年は問わず正担任希望だったのだが、なぜかこうなった。若い女の先生が担任だが、生徒は18人しかおらず、4月21日からは担任も含めてハワイ沖への遠洋航海実習に出掛けてしまい、6月末まで帰って来ないので、クラスに関してはひどく気楽な立場と言える。教員名簿を見ると、平教員で上から4番目だ(!!)。老人扱い故のポストなのかも知れない。幸か不幸か、学級通信を書く必要(チャンス?)もない。よって、このブログの(○月○日付け学級通信より)という記事も、今年はナシ。副担通信でも、教科通信でも書けばよさそうなものだが、今のところ意欲が湧いてこない。

 学科改編の影響なのだろう。宮水には今年、例年の5倍以上に当たる27名もの女子生徒が入学した(2・3年生は足して8人)。女の子の姿がひどく目に付く。雰囲気が少し華やかな春である。

 自転車通勤を始めた。昨年11月9日に、日和大橋や魚町の歩道の修理がようやく始まったという話を書いた。車道の工事はあっという間に終わるのに、歩道の工事はひどく長い時間がかかる。嫌々やっているように見える。やっぱり歩道なんてどうでもいいと思っているのだろう、と苦い気持ちでいた。完成したのは先月の上旬のことである。

 それでも、これによって自転車通学をしようという気持ちにはなった。もちろん、もっと切実な、直接の理由は運動不足と肥満である。運動しようと思ってもなかなか時間など取れるものではなく、しかも「運動のための運動」では、なかなかやせられない。友人と、夏に南アルプスへ行こうなどという話をしているのに、今のままの自動車生活では、石油消費や文明の利器に対する自らの思想に反する上、南アルプスどころか日常生活でも支障が生じてきそうな雰囲気である。

 実際に始めてみると、まだまだ路面状態は悪く、いや、津波地震のせいではなく、なにもかも車(強者)優先、歩行者(弱者)のために手間など掛けていられないという貧しい思想による道路構造の問題として、決して走りやすいとは言えない。それでも、片道25分、車で学校に行くよりわずか5分余り余計に掛けるだけで、それなりに運動したような気になれるのだからよい。今朝、南浜町を走っていたら天高く鳴くヒバリの声がよく聞こえた。これも、車に乗っていた時には気付かなかった。帰りに保育所に寄ると、子どもといろいろな観察をしながら、のんびり歩いて家まで帰れるのも健全だ。雨の降らない日だけでも、できるだけ長く続けよう。

 ウグイスは鳴いているが、例年ほど数がいないような気がする。庭の梅の木が5分咲きを超え、水仙も2割くらいは花を開いた。今朝は、我が家のすぐ下にある小さな神社の桜が咲き始めたのに気付いた。昨日の天気予報によると、石巻の桜の名所、我が家のすぐ近くにある日和山公園で桜が満開になるのは今月下旬らしく、例年、我が家はそれより少し遅いのだが、桜が満開になるまで今から2週間もかかるというのは少し信じ難い。恒例の「平居家花見」を20日にするか27日にするか、目下悩んでいるところである。