我が家のお花見



 昨日は我が家で延々7時間の「花見」(職場公募制)をした。その前日、土曜日も友人一家が来て一日中遊んでいったので、週末の二日間で20人ばかりが、我が家で花見をしたことになる。

 これを読んでいる知らない人が誤解しないように書いておくと、我が家の敷地内に桜の木は生えていない。ただ、すぐ南側の神社と、西側の家の敷地に桜が生えている。特に、西側の桜は、木自体がとても大きい上、我が家から数メートルしか離れていないので、満開になると我が家の西窓一面が桜となる。加えて、石巻という場所柄、庭の水仙が桜と同時に満開となり、我が家の敷地に生えている白梅も、まだ花を残している。これはオマケだが、南側の花の向こうには海がよく見える。土曜日は天気がよかったので、海が真っ青だった。

 「花冷え」という言葉もあるとおり、毎年、暖かくなったから桜が咲いたと思っていると、満開の頃に気温がぐっと下がり、野外で花見などする気にならなくなる。石巻の最高気温も、土曜日が9.3度、日曜日が8.6度だった。加えて強い風が吹き、とてもではないが、地面にシートを広げ、そこに座って酒を呑みながら花を愛でる、などという状況ではなかった。

 というわけで、花見山や、どこかの園芸家の庭のような花咲き乱れる状況があるわけではないが、西側の八畳間の障子を取り外し、窓からの視界を最大限確保できるようにすると、寒い思いをせず、酒盛りの口実としては贅沢なほどの花が見え、そこそこ楽しむことができるのである。桜は他人のものだし、梅も水仙も手入れなんて一切しないわけだから、横着で贅沢な花見である。ウグイスも一生懸命さえずっているが、気の毒なことに、こちらは酒呑みの大声にかき消され、気にとめる人もいない。

 花を愛でるという日本の風習もさることながら、こうして人と人が直接語り合う時間というのはいいものだな、と思う。いろいろな人から遊んでもらい、可愛がってもらって、我が家の子どもたちも大喜びであった。

 気温が低いおかげで、花の時期が長いのはよいが、それでも今週末には葉桜になってくるだろう。花見の季節は、雑草との闘いの始まりである。季節は巡る・・・。