2軍戦も捨てたもんじゃない



 妻が「部活」でしばしばいないので、父子家庭の日が増えている。先週末は、遂に2日間とも父子家庭であった。土曜日は市内に住む友人宅に行ってバーベキュー、そして昨日は、W杯サッカーの試合が終わると、楽天イーグルス利府球場に、楽天の2軍の試合を見に行っていた。保育所年長組の息子が野球に目覚め、毎日プロ野球の試合結果を気にしながら、一度「楽天」の試合に連れて行け、とうるさくなっていた。だが、先々の予定を見通しながら1軍のチケットを入手するのは面倒だし、天気も読めないし、子供の年齢と居住地の関係から平日のナイトゲームに行けない我が家は、選択肢も限られるし・・・と、いろいろ煩わしいことが多いので、天気がよかったこともあって、え〜い2軍だ、ということになったわけだ。イースタン・リーグ日本ハムファイターズ戦である。

 息子は大喜びだが、小学校4年の娘は、下の子よりも知恵があるので、「2軍なんて行かない・・・」とぶうぶう言っている。ところが、いざ球場に着くと、1塁側内野芝生席に入ったのだが、目の前のファースト守備に銀次が出て来たとたんご機嫌を直した。以後、「もう帰ろう・・・」などと一度も言うことなく、最後まで喜んで見ていた。息子は途中何度かファウルボールを追い掛けに行ったことも含めて、試合の全てを楽しんでいたようだった。

 実は、私も2軍の試合を見に行くのは初めてであった。ところが、両チームの先発は日ハムが斎藤祐樹楽天がブラックリーだし、野手には伊志嶺、枡田といった選手もおり、至近距離にある楽天ブルペンでは、金刃、武藤、戸村、菊池といったテレビや新聞で名前を見たことのあるピッチャーが入れ替わり立ち替わり投球練習をするので、無名のヘボ選手が溜まっている場所だなどと思うこともなかった。

 楽天斎藤祐樹から3点を取り、投げてはブラックリーから金刃、ファンミルとつないで完封リレー。先発投手の顔ぶれも、銀次が久しぶりにグランドに立ったのも、ホームで日曜日に試合をすることから来るファン・サービスだっただろう。仕上げはルーク・ファンミルであった。今春から楽天に所属するオランダ人らしいが、何しろ身長は216センチ、私から見ると大男である180センチ前後のプロの選手たちが、彼の肩までしかないのだから驚いてしまう。しかも、足も含めて体全体が非常に細いので、歩いている姿を見て、子どもたちが「キリンみたい!」と失礼な喜び方をしていた。こんな長身のピッチャーが、マウンドから投げるボールは見てみたい、と誰しもが思う。そのファンミルが9回に登板し、3人で押さえてセーブを得た。2軍の球場に球速計がないのは少し残念だったが、ファン・サービスとしては申し分なかった。ちなみに、主催者発表の入場者数は1895である(1985だったかも?)。

 何とかして1日でも早く1軍に上がるぞ、といったギラギラした気魄のようなものは感じず、試合も淡々と進んでいるように見えたのは少し残念だったが、いくら2軍でもプロはプロだし、高校や大学の野球部からでも選りすぐりの人だけしか入ることのできない場所である。そのすごさは十分に感じることができた。

 予約は不要、大人1000円、子供(4歳以上)500円で、ヒーローインタビューまで含めて3時間半、丸々楽しむことが出来たのだから、コストパフォーマンスは最高である。そして何よりも、球場内に変な規則がないのがいい。宮城球場(Koboスタジアム宮城)と違って、飲食物の持ち込みも自由なのである。子供を連れて、芝生席でお弁当、というのが可能なのだ。

 言葉は悪いがしょせんは野球である。いろいろな注意を受けながら、球場の入り口でペットボトルを没収されてまで見に行きたいとはあまり思わない。「一流大好き」の私(参考→こちら)ではあるが、都合が付けば、これから時々2軍の試合には足を運んでもいいな、と思いながら、いい気分で帰ってきた。