気になるプルーン



 宮水は始業式が8月24日だったので、授業が始まってから既に1週間が過ぎた。「異常気象」という言葉は、例年並みの時にこそ使いたくなるほど、日本全国で頻繁に語られる言葉となっているが、石巻でも今まさに異常気象。

 まるで嫌がらせのように、夏休みが明けると残暑が厳しくなることも多く、グダグダの教室に行くのは本当に苦痛だったが、今年は、全国教研(8月16〜18日)の頃から気温がガタッと下がり、梅雨空(秋雨空?)がずっと続いている(涼しいからといって、生徒が真面目に勉強するわけではないけれど、暑いよりはマシ=笑)。朝晩は17〜19度、日中は20〜23度といったところだ。天気予報では、9月「中旬」とか「下旬」の気温、という言葉をよく耳にする。今日がまだ8月であることを意識すると、私も本当にびっくり仰天だ。

 昨日は、年に1度、楽天の2軍が石巻に来る日だった。相手は西武ライオンズ。野球狂の息子・娘にせがまれて行く予定を立て、内野席の前売り券を買ってあった。例によって、朝からしとしと雨である。楽天のHPを見ても、中止の案内は出ていないが、とても野球ができるとは思えない。小学校の校庭は海のようになっていて、息子達の少年野球も、練習は体育館になった。

 それでも、中止がアナウンスされない以上は、球場も我が家からさほど遠くないし、とりあえず行ってみることにした。球場に着いたのは、試合開始1時間前の12時である。ネット裏中央、前から3列目という特等席に座ることができた。雨の中、ほどほどに客も入り、中止の気配は微塵もない。グランド整備のため、シートノックは省略されたが、予定通りの時刻に試合は始まった。人工芝で、土の部分がほとんどないグランドは凄い!

 私は半袖長ズボンに山用の雨具を着、子供達は練習用ユニフォームの上に通学用のポンチョをかぶった。幸い風はないが、寒い。歯の根が合わないほど震えたりはしなかったけど、何かを飲んでいたわけでもないのに、トイレに2回行った。雨でふやけた息子の手を握ると、すっかり冷え切っていた。正に晩秋の雰囲気である。

 試合は楽しかった。昨年も少し書いたことがあるけれど、楽天というチームは1軍と2軍の壁が非常に低い。本当によく選手が入れ替わる。結局みんな下手なのだ、とまでは言わないが、多分そんなものだ。昨日も、先発は塩見、スターティングメンバーの中で、少なくとも福田、牧田、中川、内田あたりは、1軍の試合にもよく出ていた。牧田の代打で出た榎本、伊東の代打で出た岡島もだ。フェルナンド、セゴビアという外国人の存在感も侮れない。私も子供達も、先発が塩見だというアナウンスで盛り上がり、塩見が3回を無失点で切り抜けると、2番手が1軍では見られない今年のドラ1安楽だったので、更に盛り上がった(けど、2回続けて先頭打者にホームランを打たれるなど、パッとしなかったな。髪を伸ばして、高校時代よりチャラい感じになったのもマイナスポイント)。

 13対5で快勝。日本製紙石巻出身の伊東は2安打3打点の活躍、今年前半戦の1軍で「和製大砲」と騒がれた中川や2人の外国人のホームランも見ることができたし、終了後は、地方球場ならではの選手との触れ合い企画(子どものキャッチボールやティーバッティングに選手が付き合ってくれる)もあって、ご機嫌で帰宅した。たかが野球、と思わないことはないけれど、選手を間近に見た時の子供達の目の輝きを見ると、人に夢を与えられる存在っていいな、とつくづく思わされる。

 帰宅すると、玄関先に立派なプルーンが一袋置いてあった。誰からか分からない。心当たりに2〜3電話してみたが、違うらしい。不審なものではないにせよ、何だか落ち着かない。これを読んでいる方で、私が置いた、という方はお知らせください。