動き始めた部活動問題



 昔々から、部活動のあり方に強い疑問を持っていた私が、世の中の流れの変化を感じるようになったのは、1年ほど前のことである。毎日新聞の落合編集委員が、繰り返し部活動問題を取り上げてくれたのを始めとして、部活に関する疑問や批判が目に付くようになってきたのである。ただ、問題を提起することと、その解決のために具体的に行動を起こすということとの間には、けっこう大きな段差が存在する。さて、具体的な動きにするためにはどうしたらよいのか、私も考えていたし、もっと切実な気持ちで悩んでいた人も多いだろう。

 そうしたところ、3日前の朝日新聞に、「部活動顧問『改善を』 教員ら訴え 署名1万6000人」という記事が載った。関東、中部、九州の30〜36歳の公立中教員が「部活動問題対策プロジェクト」(→こちら)なるものを立ち上げ、署名活動その他を開始したのだという。これは大きな一歩前進だな、と思いながら読んだ。そして今日、そのサイトを開いて、私もインターネット署名なるものをした。現時点での署名者は19000人を少し超えている。朝日に記事が載ってから3日間で3000増えたわけだ。署名のついでに、以下のようなコメントを送った。


「部活動の問題は、教員の勤務時間、生徒の負担といったことだけではない。考査期間中でも試合があれば公欠、教員の出張も校務に優先、保護者全員からお金を集めて一部の生徒に投ずる・・・学校内のあらゆる本末転倒の根っこに部活動はあります。そして、日本の学校は、その役割が何であるかということを見失っているのです。部活動問題を、教育全体を考えるきっかけにする必要があるでしょう。」


 私の部活動に関する考え方は、こちら(→2012年5月1日記事「『部活動』の横暴を許してはならない」)を読んでもらうことにして、今日は長々書かない。なお、そのページを開けてもらい、長い記事と、たくさん集まったコメントの下をずーっとたどってもらうと、「トラックバック」という欄がある。そこにはその記事を参考記事として引いた、私のブログ内の他の記事が8〜9つ掲げてある。各タイトルをクリックするとそのページに飛ぶので、そちらもお読みいただくとなおよい。部活動問題を教員の勤務条件の問題に矮小化してしまうのは、批判を誘発するだけに終わってしまう可能性がある。同時に、学校から部活動を追い出して、社会体育化してしまうのも今の日本では危険だ(→こちら、で触れた)。教育とか子育て全体を考える重要なきっかけとして、部活動問題は考えたい。