悲観主義者を笑え

 わざわざ書くまでもないことなので知らん顔をしていたのだが、ますますもって現政権のやっていることはメチャクチャである。首相や官房長官の人をバカにしきったような答弁・演説は、見ていて吐き気を催すほどだ。さすがに支持率も下がり気味のようだが、それでも、やっていることのメチャクチャさに比べれば「下がった」うちに入らないほど軽微な下げ幅だ。
 都議会議員選挙の投票が明日である。国政選挙ではないとは言っても、なにしろ東京なので、注目度は非常に高い。当然、それに関わる政治家たちの言動もよく報道されている。防衛相の発言はまったくお粗末。首相も今日はかなり手強い攻撃に遭ったようだ。
 しかし、首相その他のふてぶてしさは、単に高い支持率に支えられているというのではなく、どうせそんなことに注目している国民は一部だ、多くの国民は意識してもいない、意識していたとしてもすぐに忘れるだろう、経済政策でポイントを稼げば、他でどんな失敗をしたとしても票は集まる、といった確信に支えられているように見える。今後の展開がどうなるかは知らないが、首相の思惑通りにことが進む可能性も決して低いとは言えない(→参考記事)。少なくとも私は、さすがに安倍もそろそろアウトだろう、などとは思えない。都議会議員選挙でも、次の国政選挙でも、自民党が圧勝することはあり得る。
 これだけやりたい放題、言いたい放題をしておいて、国民はまだ目が覚めないのか?いくらあの首相だって、これ以上悪いことは出来ないだろう、といった意見は楽観的に過ぎる、と思う。以前も書いたことがあるとおり、ナチスの教訓(→こちら)というのは、今の私たちにとって本当に有効である。経済というニンジンを前にすると、国民というのは本当に愚かで善悪の判断がまったく出来なくなるものだし、政治権力とそれによって動かされる人たち(軍や警察から、最終的には国民の一人一人)がどれくらい節操を失い、暴虐になることが出来るかというのは、現在の私たちの常識では想像しても想像しても想像しきれないほどである。そして、クラッシュしないと自分たちの愚かさには気がつけない。日本の行く末がそうならないという保証なんて無い。歴史はそういうことをよく教えてくれている、と思う。
 私が、極度の悲観主義者として批判されるようになることを切に願う。