同性婚を認めよ

 台湾で同性婚を認める法律が成立したという。この問題については、日本でもしばらく前からいろいろな動きがあって、いずれ思うところを書いておこうかな、と思っていた。
 私は、同性婚容認賛成派である。そもそも、結婚というのは社会の最小単位である家族を作るということであるが、家族の目的は子どもを生み育てる、ということだけではないはずだ。保証人的な機能であったり、財産・遺産の管理、あるいは必ずしも法とは無関係な協力関係、精神的なメリットなど、出産・育児以外の夫婦の機能は、相手が同性であっても果たし得るものだ。最近は(以前から?)、子どもを作る気はない、という夫婦は少なくない。そのような夫婦と同性のカップルに差を設けるのは不合理だ。
 同性婚を認めるべきでないという人たちというのは、感情的な違和感のみに基づいて考えているのではないか、と思う。私自身、同性と結婚したい、などと思ったことはないので、同性との結婚を望む人の感覚というのはまったく理解できない。心理的な拒否感がないかと言えば、ないとは言えない。だが、その感覚は、人種が違い、宗教が違い、文化的価値観が違う人たちに対する違和感と、おそらく根を同じにする。自分と違うから拒否する、というのは危険である。同性婚に反対する人たちというのは、人種や宗教の対立についても不寛容である場合が多いのではあるまいか?
 同性愛というのは、人間が意図して作り出した文化ではなく、医学的な現象であるだろう。だとすれば、同性婚を法律で認めたからと言って、同性愛者がどんどん増え、それによって社会の構造そのものが変わってしまうというようなことにはならないはずだ。
 家族を作ることで心豊かに生活できれば、その人たちが社会に対して貢献する度合いも高まる。彼らの存在が、社会の寛容性を担保することにもなる。従って、同性婚は認めてよく、日本でも台湾と同様の法律を早期に作るべきだ。