四季桜の怪

(1月31日付け「学年だより№36」より①)

 ほとんど雪というものを見ることなく、1月も今日でおしまい。異常である。
 さて、私が愛する塩釜神社の境内では、モミジと入れ替わるように、境内に数本ある四季桜が咲き始め、今も花を付けている。「四季」とは言っても、年から年中花を付けているわけではなく、咲くのは春と秋~冬だ。
 不思議だなぁ、と思いながら眺めている。花というのは、色や香りによって昆虫の注意を引き、受粉をさせてもらうことを目的とした進化の結果である。動物であれ植物であれ、あらゆる生き物は「子孫を残す」という目的のために全てがある(人間が例外化しているのはいいことなのか?)。だとすれば、昆虫がいないこの時期、なぜ四季桜は花を咲かせるのだろう?媒介してくれる鳥がいるのか?何か受粉以外の目的があるのか?・・・
 自然の摂理に反するものは、一般にその機能が退化するか、滅亡への道をたどる。もしかすると四季桜は人間の将来を占うのではないか?・・・などという思いも頭をよぎる。

 

普通科でも行われた インターンシップ(ミスマッチを減らそう!)】

 2年生の普通科・養賢クラス(=主に就職)の諸君が、先週の木~金、インターンシップというのに行った。ビジネス科は以前から実施していたが、普通科インターンシップが行われたのは塩高史上初めてのことらしい。
 中学で経験したことがある人も多いだろう。就職先を選択するに当たり、ミスマッチ(高卒後3年間で40%強が離職=現実)を防ぐために、予め仕事を体験しておこう、というものだ。
 貴重な機会である。だが一方で、2日間、いわば「お客さん」のような形で仕事を体験したからと言って、何が分かるわけでもない。
 世の中は諸君が考えているよりもずっと広く、複雑で、仕事の種類も多い。学校のインターンシップに頼るだけではなく、いろいろな機会に「仕事」について学ぼうとする姿勢が必要だ。先入観にとらわれず、「知らない」を前提として考える柔軟さも大切(←水産加工当たりがこれを必要とする典型かも。多分、諸君の思い込みと全然違うよ、今の加工場)。自治体や業界、会社が主催する見学会や体験会は、年間を通してたくさん実施されている(教室にも時々案内が出る)。手当たり次第に行ってみるといい。自分が希望する職業かどうかなんてどうでもいい。行けば新たな発見と驚きがある。希望は変わるかも知れない。それでいいのだ。

 

裏面:2019年12月30日付け河北新報「さまよう県美術館 移転案 波紋」と同12月7日付け「河北春秋」を貼付。
平居コメント:昨年の11月以来、宮城県美術館の移転問題というのが、あちらこちらで話題になっている。特に、地元紙である河北新報には、投書も含めて、連日のように賛否さまざまな意見が載っている。そもそも、どうしてこういう問題が起こったの?移転するとしないでは、それぞれにどのようなメリット、デメリットがあるの?・・・社会問題としては至って単純な問題なので、諸君が思考のトレーニングをするには格好の題材だと思う。自分の意見をまとめて投書でもしてみることをお勧めする。