ネオワイズ彗星と高温のシベリア

(2020年7月22日付け「学年だより№55」より①)

 

 本当なら既に夏休みに入っている。相変わらず梅雨空はうっとうしいが、そのおかげもあって真夏の暑さになっていないのは助かる。暑くないから、「本当だったら既に夏休みなのに」と恨み言を言うこともない。
 もっとも、これで近年の猛暑傾向(温暖化)が解決したわけではない。九州の集中豪雨はもとより、中国でも大洪水。先月末にはシベリアで38℃を記録したという(裏面参照)。こちらの方がコロナウィルスよりも遥かに(圧倒的に!)深刻な問題のはずなのだが、不思議だなぁ人間。全然気にしている感じがしない。
 ところで、梅雨の晴れ間で久しぶりに青空が見えた日曜日の夕方、北西の空(北斗七星の下の方)を双眼鏡で探し、ネオワイズ彗星を見つけることが出来た(明日、地球に最接近。8月上旬まで見られるようだが、安物でもいいので双眼鏡がないと少しつらいかも・・・)。上に向かって尾が伸びた、正真正銘の「ほうき星」だ(感激!!)。
 尾のついている彗星を見るチャンスというのはなかなかない。私の人生でも5回目くらいだから、10年に1度といったところか・・・?中国の古い文献には彗星発見の記録がけっこう頻繁に見られる。昔の空は暗く、人も目が良かったのだろうと感心する。
 ネオワイズ彗星は、極端にひしゃげた楕円軌道を回っているため、次にやって来るのは約6800年以上先だという。太陽から最も離れる時は1070億㎞。地球と太陽との距離(1.5億㎞)の700倍以上である。宇宙の話は常に壮大だ。

 

裏面・・・今回はさほど大きくない記事を3つ
1:7月19日付け河北新報「シベリア高温 温暖化影響」を貼り付け。
 表に上の通り書いたので、裏面にはコメントなし。
 ブログのために少し補足しておく。今年前半シベリアが記録的高温となり、6月20日にはベルホヤンスクで38℃という北極圏での史上最高気温を記録したのは、温暖化の影響であることがほぼ間違いないと、ロシア・ヨーロッパの研究チームが発表した。記事は「シベリアなどの凍土には、温暖化を引き起こす力が二酸化炭素の25倍あるメタンが閉じ込められており、融解による放出が懸念される」と書き、2050年の気温が1900年と比べ2.4~7.3℃上がるとの予測を伝える。シベリアの永久凍土の融解、その下にある泥炭層の露出=メタンの放出という事態は、人類の破滅に直結する時限爆弾のようなものだと、私は以前から強い危機感を持っている。この記事を読んだら、本当に真っ青だ。しかしながら、今回の事態すらほとんど新聞報道されていない、もしくは扱いが非常に小さい。それでいて、たかだかコロナウィルスにこのバカ騒ぎだ。私には本当に他人の考えが理解できない。

(他の二つの記事は明日以降)。