さほど忙しくもない週末、「Marine Traffic」での船見物もいいが、頭の体操に「数独」に取り組むことが時々ある。我が家にある2~4種類の新聞には、あちらこちらに数独の問題が載っている。レベルもいろいろだ。私は五つ星の最難問に挑戦することは、あまり好きではない。取られる時間も大きすぎる。星の数で言えば三つ以下の、比較的簡単な問題が好きだ。
一昨日も「一題だけ」と決めて取り組んだ。そして、なんだか不思議なものを見たような気分になったのである。
私は以前から、どうも自然界には、どんな自然現象も「加速するという法則」があるのではないか、と思うようになっている。しかもその加速は、指数関数的な激しい変化だ。典型例は星の一生で、「億年」というオーダーで成長し、安定期を過ごし、衰退していくものだが、最後に超新星爆発を起こす直前には、10のマイナス何乗秒という恐ろしく短い時間で劇的な変化を遂げる。人間だって、客観的な変化は知らず、年を取るに従って時間の経つのが早く感じられるのは間違いない。主観的な時間も加速する、ということである。
数独に取り組みながら、そんなことがふと頭をよぎった。と言うのも、数独は、最初のうちはなかなかマス目が埋まっていかないが、半分が埋まった当たりから、マス目を埋めるのが簡単になり、最後の5マスくらいはあっという間に数字が入る。なんだか、目の前に「自然界」というものが生成しているような気分だ。
私の頭に真っ先に浮かぶのは地球の環境問題。特に温暖化だ。私は、かなり手厳しいことを言っているIPCCの予測ですら、まだ生ぬるいのではないかと思っている。食糧を求めて第三次世界大戦が始まるとか、シベリアの泥炭層がむき出しになるとか、北極海の氷が溶けて太陽光線を反射しない=北極海が吸収するようになるとか・・・近い将来、温暖化によって引き起こされた現象によって温暖化が爆発的に加速するということが起きるはずだ。IPCCはそれなりに様々な要素を考慮しながら警告しているが、一般人の感覚では産業革命以来の200年あまりの変化が直線的に続いていくような気でいる人も多いのではないだろうか?
数独に取り組みながら、そんな自然変化のシミュレーションをしているような気がして、不安な気分に陥ってしまったのである。必ずしも全ての自然現象が加速するわけではない、例によって平居の言っていることは大げさで悲観的に過ぎる・・・本当にそうだといいのだけれど。