学校の原点に立ち返る3ヶ月

(12月1日付け「学年だより№71」より①)

 
 今日から師走。春のコロナ休校の影響で冬休みが短縮になったとは言え、それでもあと3週間あまりで「今年」が終わる。
 さて、今週末には「はやぶさ2」のカプセルが地球に戻ってくる。昨年2月と7月に、小惑星「りゅうぐう」に着陸し、岩石採取に成功したと言われている(←カプセルを開けてみないと本当に成功したかどうか分からないからね)あの無人探査機のカプセルだ。報道によれば、先週の金曜日、2回に分けてのべ17秒間エンジンを噴射し、向きを0.0085度変えることに成功したことで、地球帰還に見通しが立ったのだそうだ。
 0.0085度とは、1度の約120分の1。肉眼では、方向が変わったことなどまったく意識できないレベルだ。それでも、「はやぶさ2」は秒速20㎞以上のスピードで飛んでいるので、私のごく大雑把な計算によれば、1秒で約2m、1日で17㎞、向きを変えてから地球にやって来るまでの1週間で120㎞以上の違いになってしまう。宇宙空間での120㎞は微々たる距離だ。しかし、「はやぶさ2」を「りゅうぐう」に向かって打ち上げた時、ブラジル上空に浮かんでいる5円玉を日本から狙うのと同じくらいの精度が必要なミッション、と言われたくらいだから、120㎞はやはり大きいのだろう。
 カプセルが予定通りの場所に落下し、回収できたとなれば、それは想像を絶する高度な計算と機械技術の成果であり、私の感覚では「奇跡」とか「神業」と言ってよいほどのすごい出来事だ。本当に戻ってくるかなぁ・・・カプセル。


【学校の原点に立ち返る3ヶ月】

 いつもは、考査終了直後に、次の考査までの予定を確認しているのだが、コロナ騒ぎで、修学旅行もインターンシップも中止となり、イベントというようなものが何もなくなってしまったので、予定確認の必要性が感じられず、あれよあれよという間に週まで変わってしまった。

 (3月3日までの予定=ブログでは省略)・・・これで全て。本当に全て。

 なんだか寂しい気分だが、よくよく考えてみると、これが本来あるべき学校の姿なのかも知れない。「学校は第一に教科学習の場である」とか「授業が第一」と口先では言いながら、部活や行事という「オマケ」の部分が肥大し、何が「本(主)」で何が「末(客)」か分からなくなっている(本末・主客転倒)のが日本の学校だからね(少なくとも、欧米人からは奇異に見えているのでは・・・?)。
 私たち教員も含めて、授業に本腰を入れるチャンスととらえたい。