どうなる修学旅行?

(2020年8月25日付け「学年だより№58」より②)


【続報 修学旅行・・・運を天にまかせつつも】

 実現の可能性はまだ分からない。最近の感染者数の推移を見ていると絶体絶命なのだが(特に大阪)、既にピークを越えたという専門家のコメントもある。3ヶ月後がどうなっているかも分からない。現在、校長に他校や現地の状況について、せっせと情報収集をしてもらっているところ。旅行で得られるものの大きさと、リスクとのバランスは悩ましい。
 さて、6月に保護者アンケートを取った時には、キャンセル料との関係で、11月半ばに実施の可否を判断したいと言っていたのだが、その後次のようにスケジュール変更をすることにした。

 ・実施の可否については9月末をめどに判断する。
 ・保護者に対する説明会は、可否に関わらず10月に行う。

 理由:両学科とも10月21日のLHRから、自主研修の班分けや計画をスタートさせることになっているが、さすがに行けるかどうか分からない状況下でそれを始めるのは難しい、という意見が、学年の先生達の間で大きくなったからだ。
 というわけで、逆に言えば、9月は「行く」という前提で動く。今具体的に計画しているのは次のとおりだ。

 9月2日(ビジネス科)、9日(普通科):第1回教養講座
 9月23日(両学科):第2回教養講座  ・・・ともに5~6校時、90分1本勝負!

 この2回で、「西本願寺御影堂10年大修復」という映画を見る。NHKが2011年に作ったもので、前編は建物(主に屋根と壁)、後編は内部装飾の修復作業を丁寧に追った素晴らしい映像である。ともに90分と長いのだが、日本の伝統的な建築・工芸技術がいかに奥深く優れたものであるか、それを守るためにどれほど多くの人達が努力をしているかということがよく分かる。
 映像化されているのは、10年がかりで行われた西本願寺本堂の修理作業だが、京都や奈良の古い建築物・文化財は、全てそのような技術と手間で作られ、守られてきたものだ。それが分かると、一見面白くもない古いお寺や神社が、全く違ったものに見えてくる。行事名を「修学旅行事前学習会」ではなく「教養講座」にしたのは、修学旅行に行けるかどうかに関係なく、一般教養としての価値も大きいと考えるからだ。
(「伝統技術」だけの問題ではなく、「仕事」というものの性質や、「仕事」をする時の心構えのようなことについても学べる。)
(古い物だから大切にしよう、ではない。価値ある物だから大切にされ、古くなることが出来たのだ。この点は分かって欲しい。)

*その他の記事は省略


(ブログ用補足)しばらく前に、西村秀一という人(国立病院機構仙台医療センター・ウィルスセンター長)の発言に触れたことがある(→こちら)。一昨日、また朝日新聞で西村氏の言葉が目に止まった。今回も大きなインタビュー記事で、「学校の『感染対策』ずれていないか」という見出しのものだ。やはり非常に良識的な意見に思われた。修学旅行問題とも絡むので、最後の部分を引用しておこう。
「学校や家庭から『感染者を一人も出さない』と過剰とも言える予防策で疲弊するより、感染者が出た時に相応の対応をするやり方が、このウィルスと付き合っていく上で一番現実的だと私は考えます。子どもたちが本来経験できた学びを極端に減らしたり、楽しみにしていた行事を中止したりする動きが広がっていることを心配しています。
 現実社会ではゼロリスクはありえず、リスクをどこまで許容するかが問われます。この機会に子どもたちにもそれを学んでほしい。そしてこのウィルスが日本でほとんどなくなるまで現状の感染対策を続けると、子どもたちの学びはどうなるのか。我々大人はよくよく考える必要があると思います。」
 ただ、本来は、感染症対策と経済や教育の関係は、このような専門家が頭を悩ませることではなくて、政治家が判断すべきことである。前回の記事で西村氏が言っていたように、専門家はリスクを客観的に語ることこそが必要だと思う。その政治家がわけの分からないことばかりやっているから、西村氏のような人が言わなければならなくなるのだ。