ますます重い意味を持つ

 また、である。月曜日だったか、塩釜市に奇っ怪なメールが届いた。今日、16:33に学校や公共施設を、ピストルや火炎瓶などで(笑)攻撃するとの予告である。昨日の新聞によれば、宮城県内の他の8市にもらしい。前回は、各自治体の判断に従うようにという指示を出した宮城県も、今回は、警戒しつつ、通常の教育活動を継続するようにとの指示を出した。みんなが「ああ、またか」と軽視するようになるのを待って、そのうち「ドカン!!」ということになるのかどうか・・・?とにかく非常に悪質ないたずらである。前回(→こちら)と関係があるのかどうか分からないが、必ずや犯人を捜し出し、強く懲らしめてもらいたいものだ。
 それはさておき・・・
 昨日、読者の方から、日本学術会議の会員任命拒否について、法政大学田中総長が出したメッセージが素晴らしい、との情報をいただいた。「歴史に残る名文かと思います」とある。発信者は匿名ではなく、非常に信頼すべき方であることが分かっているので、すぐにネットで探して読んでみた。なるほど、「学問の自由」の大切さに対する確信と、それを蔑ろにしようとする首相に対する毅然とした否定がまっすぐに伝わってくる、格調高い文章である。同様のことを言っている人がたくさんいる中で、これが特別な、「歴史に残る名文」かどうかは何とも言えないが、広い視野と大きな度量によって支えられている文章は、読んでいて気持ちがいい。(そもそも、全国いくつの大学で、学長がこの問題について声明を発表しているだろう?)

「任命拒否された研究者は本学の教員ではありませんが、この問題を座視するならば、いずれは本学の教員の学問の自由も侵されることになります。また、研究者の研究内容がたとえ私の考えと異なり対立するものであっても、学問の自由を守るために、私は同じ声明を出します。今回の任命拒否の理由は明らかにされていませんが、もし研究内容によって学問の自由を保障しあるいは侵害する、といった公正を欠く行為があったのだとしたら、断じて許してはなりません。」 

 しかし、私が強く思ったのは、この文章そのものとは少し違うことだ。
 それは、だいたい1500字くらいの、比較的大きなこの文章が公表されたことで、先日このブログでも取り上げた(→こちら)、菅氏が首相になった時の記事の小ささが、より重い意味を持つものとして見えてくるということである。
 法政大学は、本当に大切なことについては大きなスペースを使って、明確な意思表示をしますよ、どうでもいいようなことはそれなりの扱いをしますよ、日本学術会議議員の任命拒否は前者であるべき問題で、卒業生菅某が首相になったことは後者なのです・・・まぁ、そういうことだろう。そして、大きな総長メッセージで批判されている人は、その菅某である。
 残念ながら、首相はこんなメッセージの意味や価値が理解できる人ではない。自分たちの思い通りにやること、それが全てと見える。もちろん、その「思い」についての問い直しなんかない(選挙で認められたんだから!)。だから、任命拒否などということができるのだし、記者会見でも泰然とシラが切れるのである。分からない人、分かろうとしない人に目を見開かせるのは本当に難しい。