生徒会って何だろう?

(11月5日「学年主任だより№24」より②)


【生徒会って何だろう?・・・後期生徒総会を見て】

 後期生徒総会が終わった。諸君全員が生徒会の会員であることは、卒業式当日まで変わらない。しかし、委員会の仕事は一部残るものの、執行部を始め、多くの分野で完全に引退となる。まずはT会長以下、ご苦労様。
 そんなタイミングではあるが、総会について少し感想めいたことを書いておく。
 生徒会とは、自治の組織であると同時に、民主主義を学ぶ場である。したがって、

「生徒の総意を確認し、内容によっては学校(先生)にそれを伝え、生徒の要望が実現できるように先生たちと話し合っていく」ことが求められる。

 ところが、議案書もしくは当日の答弁を聞いていると、一部それらしき要素もあったが、むしろ、生徒会は先生の意見を生徒に伝える(浸透させる。悪く言えば「押しつける」)ための組織だったかな?と思わされる場面ばかり多かった。
 政治経済の授業で勉強したと思うが、世の中には労働組合というものがある。労働組合も生徒会も、立場の弱い者が集団を作ることで強い立場の人に対抗するという点で、両者は性質が同じだ。だから、それらを重ねてみると、生徒会の機能はよく分かる。社長の意見を社員に徹底させるのが労働組合だったら(←こういうのを「御用組合」と言います)、たぶん「そんな組織なら要らない」と、すぐになってしまうはずだ。

 新生徒会役員が全員女子だというのにもびっくり。最近、他の先進諸国と比べて、日本は国会議員や大臣の女性率が低いとよく問題になるが、学校や会社では、むしろ「女の子が元気だ」という評価を耳にすることが多い。新役員は、それを象徴するようだ。(男子がんばれ!!)


【保健講話についての若干の補足】

 飯室先生は、薬物を使った高校生は退学させられる、と断定的に言っておられた。果たして本当だろうか?
 私は教員になって35年近く経つが、その間に生徒の薬物使用が発覚したことも、そんなことがあったという他校の話も聞いたことがないので、本当に退学になるかどうかは分からない。
 だが、飯室先生も警察に捕まった薬物使用者を無理に助けない、「自分のしたことの責任は自分で取らせる」ことの必要性は指摘していた。学校は勉強をするための場所であって、更生施設ではないので、中毒の程度が勉学に差し支えないレベルかどうかということも、その生徒をどうするか考える上で重要な要素だろうと思う。そんな生徒が現れて、その処分について意見を求められたらどうするか・・・私は今も考え続けている。
 それにしても、先生が問題にしていたのは、単に「薬物」ではなく「依存症」だったような気がする。私が見るに、高校生の大半は「スマホ依存症」なのであるが、なぜそれに対しては飯室先生も危機感が甘く、社会では政治的対策がとられないのだろう?私にとっては非常に不思議なことだ。