次世代の危機感

(11月30日「学年主任だより№27」より)
*なんだか過去の記事との重複部分が多すぎて、ここに公表するのが申し訳ないような内容なのだが、一応何かのために載せておこう。


 もはや先々々週となる13日(土)、COP26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が閉会した。本当は12日閉会予定だったのに、議論が紛糾して合意が出来なかったため、1日延長されての閉会となった。世界中から政府要人が集まった大規模な会議を、急に延長することが出来るとは信じがたいが、気候変動がそれほど誰にとっても切羽詰まった問題だと認識されてきた、ということなのだろう。
 ところで、石油の値上がりが問題になっている。ガソリン1リットルが全国平均で約170円にもなっているそうだ。私は何についても世間と考え方が逆なので、今でもガソリンは安すぎると思っている。少し考えてみよう。
 大金持ちがゴッホの絵を10億円で買い、「一度こういうことやってみたかったんだよなぁ」と言って燃やすとする。自分のお金で買った物なのだから、燃やそうが食べようが自由だろ、とはならない。ゴッホの絵は人類にとっての財産であって、彼が10億円で買ったのは、その絵を手元に置く権利に過ぎないと考えるからだ。再生不可能な共有財産であるという点で、石油もゴッホも同じだ。更に、石油は温暖化の元凶というマイナスの価値も持つ。1リットルをわずか170円ほどで買い、自分のお金で買ったものだから自由に燃やしてよいとは思えない。
 プラスの価値もマイナスの価値も、お金に換算しないと分からないのなら、石油はもっともっと高くなるべきだ。そんな風に考えるから、私にとって世の中はますます生きづらい。「みんながお前みたいな考え方をすれば、世の中全体がもっともっと生きづらくなるぞ・・・」と、友人から文句を言われる。
 守られるかなぁ?COP26で決まった最低限の合意・・・。


裏面:11月10日河北新報より「『気候正義』声高まる」の半分を貼り付け(この記事は、ほぼ1面という巨大なものなのだが、温暖化のしわ寄せを受ける人として、半分は若者、半分は発展途上国を取り上げている。その「若者」部分だけを取り上げたということ)。他にも見出しが多数踊る。「温暖化の影響直撃---次世代の人」「若者に広がる悲観論」「『将来怖い』75%」「問われる現世代の『投資』」。なお、記事の中にはイギリス・パース大学が実施したアンケートの結果が載っていて、それによれば、「人間は地球を守れずにいる」83%、「将来が怖い」75%、「人類が破滅に向かっている」56%といった結果が並んでいる。
平居コメント:欧米と日本の若者の温度差は大きい。「日本の若者も」とは書かれているものの、集会の規模も熱気も桁違い。それはアンケート結果にも表れるだろう。おそらく、日本ならもっと小さな数字になるはずだ(←日頃の諸君の生活を見ていれば分かる。)温暖化は消費とほとんど同義語である。政治家や研究者に全てを任せ、自分は思うがままに消費を続けるという虫のいいことを考えていたら、おそらく人間は生き延びられない。それは今世紀末、あるいは諸君が死ぬ頃という話ではなく、10年後、20年後というレベルの話だと私は思う。私が見たところ、自然界には「変化は累乗的に加速する」という法則がある。


*これ以外の記事は、主に次の考査までの予定と、若干の解説なので、この場では割愛する。