玉ねぎリレーマラソン

 今日は、本当に久しぶりで「レース」に出た。岩沼市にある「千年希望の丘」で開かれた「玉ねぎリレーマラソン」というイベントである。主催者のチーム・ゼロ実行委員会というのがどのような組織かは知らないが、兵庫県は淡路島産の玉ねぎを大量に持ち込み、それを賞品としたリレーマラソンを開くのだという。
 私が、某大学教授から「いっしょに出ない?」と誘われたのは、4月半ばの話。あまりよく考えもせずに、スケジュールが入っていないというだけの理由で「いいですよ」と答えた。聞けば、参加者は好きなだけ淡路島産の玉ねぎを持ち帰れるらしい。玉ねぎの値段が急上昇を始めたのは、その直後のことであった。目的はタイムから玉ねぎへと急シフトした。
 さて、今日は生憎の雨。某大学教授の車に乗せてもらい、会場に着けば、傘を叩く雨の音で会話が成り立たないくらいと言えば、少しは状況が分かってもらえるであろうか?本物の土砂降りと言ってよい。え~~っ?本当にやるの?と思っていたら、レースは当たり前のように始まった。
 我がチームのメンバーは8人。学生が1人と大学教授が5人、教授の配偶者である医師が1人、そして唯一の高校教員・私である。42.195㎞を42で割った1.0046㎞を8人で42周する。とにかく42周しさえすれば、どのように分担してもよい。1人が続けて5周ずつ走り、アンカーだけが7周でもいいし、1周ずつ5回、2人だけが6回走ってもよい。我がチームは、毎回1周ずつ、各自が5回、2人だけが6回走るという作戦を採った。
 何しろ2人だけが6回走る。最初、言い出しっぺの某教授から、「平居先生、6回走って下さいよ」と言われた時、私は気軽に「いいですよ」と言った。6回ということは6㎞強ということで、日頃、牧山を走る時の半分に過ぎない。だが、結局、6回走る走者は若い順にしようということになり、私は5回でいいことになった。
 コースは、5mほどの緩やかなアップダウンのある1㎞コースである。スタートして間もなくの所に長机が置いてあり、そこに玉ねぎ入りの段ボールが置いてある時は、自由に玉ねぎを取っていいことになっている。ただし、玉ねぎを入れるための袋類を使うことは禁止だ。
 玉ねぎ価格の高騰を受けて、レースの結果より玉ねぎgetを主目的に変更したものの、玉ねぎがいつでもあるわけではないし、他の参加者も一生懸命走っているし、私自身せっかくなので走りたいという気もあって、かなり真面目に走った。
 5㎞なんてたいしたことはないという認識は甘かった。続けて5㎞走るのと、1㎞を5回走るのは違うのである。1㎞だけを走るとなれば、そこに全力を集中する。つまり、1㎞ダッシュである。その後、7人が走っている間休めるとは言っても、全力疾走のダメージは意外に大きい。レースが終わった時、私はすっかりくたびれていた。
 8人による記録は3時間16分06秒。「フル・男女混成の部」24チーム中、ちょうど真ん中の12位であった。各自の記録も発表されるのだが、私は、一番速かった5回目が4分4秒、一番遅かった3回目が4分14秒で、平均すると4分7~8秒であろうか。う~ん、けっこうショックだ。日頃タイムを計りながら走ったりすることはないが、1㎞を4分以内で走れないとは思わなかった。同時に、速い人も遅い人もいるとは言え、8人が本気でたすきをつないで3時間16分である、1人でフルマラソンを3時間16分で走る人、いやいや、2時間数分で走る国際級の選手というのは本当にすごいのだな、と恐れ入った。
 スタート時には土砂降りで、半ば「やけくそ」を楽しんでいた私たちであったが、私が3回目を走る頃には雨が上がり、最後には薄日が差して、少し蒸し暑くなってきた。
 諸般の事情で、私自身は玉ねぎが上手くgetできず、お土産が4個に止まったのは残念だったが、今日まで面識のなかった人も含めて、みんなで一つの目標に向かって和気藹々、楽しい1日を過ごせたのはよかった。最近、マラソンイベントは参加料が高くて、バカバカしいから参加しないのだが、みんなで無邪気に楽しむイベントとしてはいいものだな、と思った。
 明日は、学校でスポーツテストに参戦予定だったのだが、特にシャトルランなんて本当にできるのかな?少し不安な私であった。