コウナゴが採れない

 他愛もない日常の光景を少し書き留めておこう。
 先週の金曜日、我が家の沖に生徒を乗せて出港したはずの宮城丸が停泊している、ということを書いた。結局、宮城丸はしばらくそのままの状態を続けた後、日曜日の朝9時ちょうどに、汽笛を何度か鳴らして沖へと去って行った。地元紙「石巻かほく」の「漁業通信」欄を見ると、昨日16時までの時点で、北緯32度ちょうど、東経148度44分の所にいて、120度(東南東)の方向に12.8ノットで進んでいるらしい。
 話は変わる。
 数日前まで、夜になると、我が家から漁り火がよく見えていた。コウナゴ漁の季節だ。そうしたところ、一昨日の「石巻かほく」に衝撃的な記事が出た。4月3日の解禁以来、約20隻が操業を続けてきたが、まったく採れないので、先月28日をもって終漁としたそうだ。当初の計画より3週間前倒しでの終漁だという。総漁獲量はなんとゼロ!!2008年には4887トンの水揚げがあったのに、2019年頃から急減し、2020年以降はほぼゼロの状態が続いていたのだという。県の水産技術総合センターによれば、黒潮(暖流)が漁場に流れ込んでいるため、コウナゴの餌となる動物プランクトンが減っているかららしい。親潮(寒流)が南下してこない限り、回復は期待できないという。ああ、結局これもまた温暖化の影響なのだな。代わりに捕れる魚種が現れればいいのだが、不思議とそんな話は耳にしない。本当に不気味なことである。
 3日、そして今日と牧山に走りに行った。天気は上々。気温も非常に高く、石巻でも20℃を超した。3日から、ついに半袖・半パンとなった。それでもよく汗をかく。日差しが強く、新緑の森の中で木漏れ日が美しい。
 3日は、とても珍しいことに、山の中を一周する間に15人以上の人と会った。いつもは5人以下だから、びっくりするほど多いと感じる。
 栄存神社の社務所の少し南から、魔鬼山廃寺の手前まで、わずか200mほどの区間の両端にロープが張ってあって「通行止」の札が下がっている。「倒木の危険があるため」だそうだ。「市民の森」になっている牧山には、たくさんの道があって、全て森の中だ。その200mだけが特別に危険だというのは理解不能である。
 頓着している人はいない。そもそも、山道を歩いて行ったら突然「通行止」というのは困る。本気で「通行止」にするのなら、山道の入り口に掲示を出すべきなのだ。私は「通行止」と書いて「じこせきにん」と読むのだな、と思った。
 暖かいのはいいが、もう少しで蜘蛛の巣との戦いが始まる。それを思うと少し憂鬱だ。連休の残り2日は雨らしい。