自分の身体と親密な議論を重ねる

(2023年8月31日付け「担任のお話」№17より)


 今日で8月もおしまい。それでも、まだまだ暑い日は続きそうだ。私が高校時代の瀬戸内とほとんど同じような気候だと思う。
 ところで、昨日から今日にかけては満月。なんと、今月2回目である(青くないのにブルームーンと言うらしい)。しかも、月と地球との距離の関係で、今年、月が最も大きく見える日(スーパームーン)でもある。前者は、1ヶ月が30日か31日であるのに対して、月の満ち欠けが約29.5日周期であることから来る現象で、3年に1度くらいしか起こらない。スーパームーンは年に一度だ。これらが同時に起きるのは15年前後に1回だというから、かなりまれな機会だということになる。
 今は、月の近くに土星が見えている。あの「輪」を持つ惑星だ。口径4㎝くらいの小さな望遠鏡でも輪は見える。この星がどれほど美しいか(まるで宝石!)。身近なところに望遠鏡があれば、今のように探しやすい時に、一度見てみてほしいなぁ、と思う。自然の造形は本当に素晴らしい。

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 授業に行くのに時間がかかる。教室にたどり着くまでに、誰もいない教室に電気がついていたり、扇風機が回っていたりするのを見てしまい、鍵がかかっていなければ、それらを消して歩くからである。扇風機は手強い。リモコンが見当たらず、椅子に上がり、棒を使って消さなければならないこともしばしばだからだ。
 諸君は自宅でも同様で、電気はコンセントから無限に湧いてくるものだという認識なんだろう(ね?)。もちろん、それは間違い。節電、節電!


裏面:池澤夏樹『クジラが見る夢』(1998年、新潮文庫)P200~204を引用。

平居コメント:ジャックとは、ジャック・マイヨール(1927~2001年)のこと。世界で初めて素潜り(酸素ボンベなし)で水深100mに到達したイタリア人だ。この人をモデルに、映画(「グラン・ブルー」)も作られた。私は、この文章の「自分の身体の反応に耳を傾け」「自分の身体と何度となく親密な議論を重ね」という表現がお気に入りだ。自分の心や体が今どのような状態にあるのか=自分を高めるために無理をすべき時なのか(←これはこれで必要)、自分を守るために無理をしてはいけない場面なのか・・・それを決められるのは自分だけだし、そのためには自分と真剣に向き合うことが必要だ。このことは、素潜りだけではなく、あらゆることに有効。もちろん熱中症にも・・・。


 *これら以外の記事は省略。