ロボコン

 台風明けの今日は仙台に行っていた。話題のジャズフェスではない。県工業高校(県工)でロボコンが行われたのだ。
 昨日の放課後、機械部「ロボコン」班に所属する私のクラスの某生徒が、「先生、今日の放課後暇ですか?」と言ってやって来た。生徒に「暇だよ」と言うのは少ししゃくだったので、「会議はないよ」と答えた。すると生徒が、「明日のロボコンのリハーサルやるんですけど、見に来ませんか?」と言うので、思わず「行く、行く」と身を乗り出してしまった。
 それから40分後くらいに、機械部の活動場所に行くと、ちょうどリハーサルが始まるところであった。私が担任をしているクラスの生徒が2名で一つのチームを作っている。
 もちろん、「ロボコン」が「ロボットコンテスト」の略だということくらいは知っていたし、全国大会の様子はNHKで放送されるので、何度か見たことがあった。しかし、今年の競技がどのようなルールで行われるのかについての予備知識はゼロ。彼らがやることを見ながら、ルールを理解していくしかない。見れば、たいそう大がかりな木製の舞台装置が作ってあって、自走式(プログラムがインプットされていて、選手は最初のスイッチを入れるだけ)とリモコン式(選手が運転する)、2台のロボットを使って、テニスボールやら、ペットボトルやらを運んで所定の位置に置く、というものらしい。自走式にリモコン式を途中から載せて移動するとか、テニスボールやペットボトルに覆いがかぶせてあって、それを取り外すことも競技のうち、しかも、その覆いを木枠の外に出してはダメで、ロボット移動の邪魔になる場所にあえて置くしかないなど、とても複雑なルールだ。制限時間の3分で全ての課題をクリアーするなんてできっこない。
 それはともかく、私は15分くらいのつもりで見に行ったのだが、すっかり夢中になって、ほとんど1時間くらい、リハーサルを4回も見て、これは本番を見たいなと思うようになってしまった。生徒の本番を見たいというだけではなく、他校のロボットにどんな工夫が施されているのかも大いに気になった。幸い、今日は特別な予定が何もない。暑いし、県工(仙台駅から徒歩25分)は遠いな、とも思ったが、やっぱり見たいという気持ちが勝った。
 ロボコンを見に行くのは初めてである。着くと、驚くほど人がいない。受付で何も言わずにいたところ、保護者席に行くよう促されたのだが、そこにいたのは7~8名だっただろうか。参加者もわずかに4校6チーム(宮城県には少なくともあと3~4校、機械科を持っている高校があるはずなのに、どうして出て来ないんだろう?)。その選手たちと、会場係と思しき県工生、そして教員。全部合わせても100名といったところだっただろう。
 競技そのものは、とても正確に時間通り進むので、イライラすることがない。しかし、しょせんは県予選。レベルはとても低い。どちらかのロボットが全く走らないというチームが3つもあった。とりあえずロボットが走らないことには、ハラハラドキドキにも「おっ、すげぇ!!」にもならない。
 課題のレベルが高すぎるとは言っても、50%くらいはクリアーするのかと思っていたら、まったくそんなレベルではなかった。一つのチームが、午前と午後にそれぞれ1回ずつ競技を行い、高い方の点数で競うのだが、560点満点で、優勝チームが270点。得点率48%だ。決して高い得点率には思えないが、このチームだけは、さすがに見応えがあった。頭いいなぁ、と感心した。
 準優勝はなんと我がクラスの生徒たち。これが128点で23%。全然リハーサル通りには行かず、彼らとしては少し不本意だったかも知れない。それでも、めでたく全国大会(10月28~29日、福井)に進めることになった。あまり全国レベルという感じはしなかったが、リハーサル通りなら200点は取れていたと思うので、今後1ヶ月半の努力によって、50%を超える得点率を目指して欲しいなぁ、と思った。残念ながらテレビ放送があるのは高専以上の大会であって、高校生大会はないらしい。くそっ!
 そう言えば、今日は同じ機械部の「エコラン」班も栃木県で大会だ。どうなったかなぁ?