答案用紙の余白から・・・

(2023年10月22日「担任のお話」№22より①)


  先週、始業式に先立って行われた表彰式。ステージに上がった8人のうち4人がこのクラスだった。なんとなく気分がよい。考査前は欠席続出だったが、それも一段落。順調で成果の得られる毎日になるとよい。
  ところで、先週末、金曜日の午後から、私は役員として登山の新人大会に行っていた。2泊3日。場所は川崎町の笹谷である。
 大会2日目、土曜日は笹谷から笹谷峠を経て山形神室(1344m)を目指した。ところが、出発時は晴れていたのに、標高906mの笹谷峠に着く頃には、強い風雨となった。気温も低く、とても寒い。低体温症の症状を示す生徒が現れたので、そこから先の行動は中止して下山となった。下山してみると、キャンプサイトでも天候が悪化し、生徒がテントを設営している最中、ついに土砂降りとなってしまった。
 新人大会である上、コロナの影響もあって、山行、特にテント泊に慣れていない生徒にとってはつらい体験になったことだろう。だが、これが「自然」というものなのだ。車で移動し、空調の効いた部屋の中で過ごすことが増えたからこそ、こんな経験には価値がある。疲れ切った顔をしていた高校生たちも、やがてそんなことに気付く日が来るはずだ。


★ 期末考査答案の余白から ★

 学年に関係なく、国語の考査では、解答用紙の最後に、「授業についての感想、意見等、自由に書きなさい」と書いてスペースを設けることにしている。文句を始めとして、いろいろ言いたいことがあるのではないかと思っているが、残念ながら書いてくれる人はほとんどいない。それでも、このクラスは7~8名の諸君が書いてくれた。少し紹介しておこう。

「本をただ読むだけでなく、なぜ、本当か、などの疑問を持ちながら読むことが大事であることが授業で分かりました。」
(平居コメント:そのことにちゃんと気づけているあなたはエライ!!)

「彙←これ『はりねずみ』って読むんですね。そう思うとかわいく見えてきました。食べちゃいたいです。」
(平居コメント:面白~~~~い!!こうして知識を増やしていけると、勉強って楽しいよね。Good!=分からない人は『彙』を漢和辞典で引いてみること。)

「先生のなにかしらの体験談みたいなものをもっと聞きたいです。」
(平居コメント:質問して引き出してください。)


裏面:9月13日付け朝日新聞より「文化財修理 なぜその原材料」を貼り付け。
平居コメント:半導体レアアースでも同様のことで、どんなに優れた技術があっても、材料や道具が手に入らなければ、その技術を使うことは出来ない。来年、学習旅行に行く時に勉強するとよく分かることなのだが、日本の伝統文化(技術)を継承するための材料の多くが危機的状況にある。最新技術ではないからといって、廃れてよいものなのかどうか・・・。伝統技術は奥が深く、最新技術を生むヒントになることもしばしばだと私は思うのだけれど・・・。