学びのモチベーション

(2023年10月19日「担任のお話」№23より)


 10月ももはや後半。石工祭が行われた14日は、我が家の「初日の出」であった。と書けば、「なんじゃそれ?」という話だが、事情は以下の通り。
 言うまでもなく、太陽が現れる場所は、季節とともに変化している。夏至の時は日の出の位置が最も北で、冬至の時は最も南だ。我が家はほぼ真南を向いて建っていて、見晴らしは非常によい。すると、北の方から太陽が昇る夏は日の出が見えず、それがだんだん南に動いてくると、ある日から日の出が見えるようになる。その「ある日」が14日だった、というわけだ。地軸の傾き、地球の公転といった宇宙の法則に思いを馳せるのも楽しいが、なんと言っても強く感じるのは「冬が近い」ということである。


【勉強のモチベーションについて】

 一昨日、成績表を渡した。残念ながら、6名の諸君に赤点が付いたというのは嘆かわしい。クラスによって科目が異なるので、単純な比較はできないが、普通科目の成績を基準に見てみると、M1全体としての成績は、せいぜい学年の平均値か、それより少し下というくらいであろう。
 もっとも、順位を始めとして、他との比較は良し悪しだ。常々言うとおり、大切なのは、自分がどれだけ頑張れたか、自分がどれくらい伸びたか、という実感である。なぜなら、勉強する上での敵は「弱い自分」だからだ。

【余談】
 そう言えば、先週紹介した工場見学の感想文に、「興味や好奇心を大人になってからも忘れないようにしたい」というのがあった。仕事だけではなく、勉強を続けていく上でも、それらはとても大切。順位や点数、給料といった実利をモチベーションにするよりは、よほど本質的な勉強ができ、実力が身に付く。では、どうすればそれらを失わないようにできるのか・・・。私はその方法を知っている(笑)。
 それは、勉強し続けることである。勉強には、すればするほど分かることが増えると同時に、分からないことも増えるという法則がある。勉強すると分からないことが増えるというのは騙されたような話に聞こえるかも知れない。「勉強すると分からないことがたくさんあることが分かってくる」と言えば分かるだろうか?分からないことがたくさんあることが分かると、それを分かりたいという気持ちが湧いて来る。その気持ちは、興味、好奇心と表裏一体だ。逆に言えば、勉強しない人は、自分の知らないことがたくさんあることに気付けないので、勉強する必要を感じず、意欲も持てないということだ。結局、いいことでも悪いことでも、世の中の物事というのは全てスパイラル(好循環または悪循環)に入るのだよ。


裏面:10月15日付河北新報より「今日から新聞週間 活字の魅力 3人に聞く」を貼り付け(ただし、まったく同内容の記事が他紙にも掲載された。レイアウトや大きさの関係で、河北のものが一番扱いやすかったというだけ)。
平居コメント:新聞は、記者が現場に足を運んで取材し、少なくとも3人が目を通した上で印刷されているため、情報の信頼度が高い上、一覧性(パッと見ただけで広い範囲の話題が目に入る)に優れている。新聞販売店の厚意で各クラスに配られている河北新報は、残念ながら、毎日ほとんど手つかずだ。スマホがあるからいい、というのは多くの高校生の言い分だが、3年生の面接練習などをしていると、そんなのは言い訳、実際には、スマホでも世の中の動きに関する情報などほとんど仕入れていないことが分かって驚く。18歳から選挙権を持つのに・・・。だまされたと思って、一度新聞を手に取ってみるといい。意外な面白さに気付けると思うよ。


*これ以外の記事(文化祭の振り返りシートまとめ)は省略。