最先端の生活

 昨日は、県の国語教育研究秋季大会という行事があって、南三陸高校(旧志津川高校)まで行っていた。三陸自動車道が開通した現在、我が家から車で1時間もかからないくらいの時間で行けるのだが、時刻表を見てみると、JRでも間に合うことが分かったので、迷わずJRにした。東日本大震災気仙沼線の柳津以北が不通→廃止になってしまい、現在は廃止区間がBRT(廃線跡を利用したバス)になっている。石巻線気仙沼線、BRTと乗り継ぐ接続は決してよくはなく、行きは前谷地で、帰りは柳津で20分くらいの待ち合わせ時間があるが、1時間40分で着く。駅から高校まで歩いて10分あまりかかるので、車で行くのの2倍といったところだ。それでも、急ぎようのない公共交通機関は気分的にのんびり出来るし、本も読めるし、事故の責任者になるリスクはないし、余計な石油は消費せずに済むし、よほど仕事に追われていない限りはメリットが大きい。
 ダイヤの関係で南の方から来る参加者は同じバスになるはずなのに、志津川で下りて南三陸高校を目指したのは私だけだった。他の百数十人は全て車なのだろう。しかも、乗り合わせたりすることなくバラバラに・・・。恐ろしい。
 さて、昨年はお話をする係だったが、今年は常任委員ということで世話係である。とは言え、大半は事務局校の人たちがしてくれるので、実質は一般参加者とあまり変わらない。
 私より4歳下、旧知のK先生に会った。昨年は、K先生が世話係の分科会で私がお話をしたのに、今年は完全に逆転し、私が世話係の分科会でK先生がお話をした。日頃親しく交流しているわけではないのだが、なにしろK先生は、私が先日カリンニコフで感動したばかりの仙台ニューフィルハーモニーの団員なので、音楽を中心として共通の話題も多く、こうして何かの機会に会うとよく話をする。(ちなみに先日の仙台ニューフィル定期のプログラムで、カリンニコフの部分を書いていたのはK先生である。毎回私にチケットを届けてくれるのはK先生ではない。)
 一切が終わった後、K先生が「平居さん、連絡先教えておいてよ」と言うので、同じ県立高校の教員である都合、学校のメールアドレスなら分かるはずなのにと思いながらも、自宅入りの個人名刺をあげた。K先生は、その名刺をまじまじと見ている。以下、その時の会話である。

K「平居さん、携帯ってないの?」
平「ないよ。ガラケースマホも持ってない。」
K「すごいね。今日もBRTで来たって言うし。」
平「しょうもない連絡や情報に振り回されるからスマホは嫌い。石油がもったいないし、地球を汚すから車はできる限り使わない。ペットボトルや使い捨て容器に入った弁当も買わない。家にはエアコンもない・・・」
K「昔の生活に戻ろうとしてるんだ?」
平「え!?違うよ。逆でしょ。それが最先端の生活なんだよ。」

他愛もない会話なのだが、なんだか面白くないですか?ふふふ。