おめでとう!ほやマン

 石巻が-6℃まで下がった先週の火曜日、朝、通勤の途中でスッテ~~ンと転んだ。路面は凍っていたが、完全な平坦地である。なぜ転んだのか分からない。とにかく一瞬にしてひっくり返ってお尻から落ち、その後、後頭部を打った。後頭部はたんこぶさえ出来なかったくらいだから甚だ軽傷だったのだが、お尻(尾てい骨)は重傷。強い痛みが今でも残っている。私の素人診断によれば、骨にひびくらいは入っていそうだ。
 それはともかく、寒かったのはその日だけ。翌日は最高気温が10℃まで上がり、ウグイスでも鳴こうかという感じだった。そして今日は土砂降り。日中の最高気温は7℃とかで、雪など降る気配もない。暖かくていいなぁ、などとはまったく思わない。寒くなるべき時には寒くなってくれないと困るのである。
 昨年の夏は異常な高温が続いたわけだが、私は、私が高校を出た瀬戸内の夏とほとんど同じだな、と思っていた。冬は冬で、やっぱり当時の瀬戸内とよく似ている。水で洗い物をするのも苦にならないし、ストーブだって、妻が寒がりなので1日に数時間はついているが、なくても耐えられないというほどではない。
 不気味である。今年の夏は昨年を上回ると言っている学者もいる。正に「地球沸騰化」の時代だ。

 ところで、全然違う明るい話。一昨日、毎日映画コンクールの審査結果が発表された。その結果、「さよなら ほやマン」で主演を演じたアフロが、スポニチグランプリ新人賞というのを受賞した。
 私は、1月9日の石巻日々新聞に出た大きな記事で、阿部兄弟を演じたアフロと黒崎煌代が、新人賞・男性部門にノミネートされていることを知った。それから10日。他人事ながら、手に汗握るような気持ちで、結果発表を待っていたのである。
 日本で1年間に何本の映画が作られるのか知らないけれど、やはり賞を取るというのは大変なことなのだろうと思う。しかも、大手映画会社が大金を投じて作った派手な映画なら知らず、名もなき監督の、ほとんどデビュー作と言ってもよいような作品だ。全国公開されたというのはすごいことだが、それでも、上映したのは全国で50館。宮城県だけで7館だし、確か東京もいくつか上映館があったので、逆に言えば、上映館が一つもない県だってたくさんあった。私の中では盛り上がっていたのだが、全国的に見れば超マイナー映画である。
 そんな映画から、6人の最終候補に2人が入り(これも異例らしい)、そして最終的にアフロが受賞した。これはやはり驚くべきことのように思う。受賞したアフロにも、アフロを見出して主演にした庄司監督にも、心からの祝福を送りたい。
 私としては、アフロ、黒崎煌代、呉城久美は甲乙つけがたく、あえて言えば、黒崎が1番、アフロと呉城は同点だった。しかし、黒崎が選ばれなかったというのは、私と審査員の見方が違うか、プロ野球のMVPの選考で、よほど突出した成績の選手でなければ、優勝チームの選手をMVPに選ぶのと同様、主演優先の発想があったからではないかと想像する。
 実は、次回のラボには庄司輝秋監督が登場することになっている(予約受付開始早々に満席)。ますます楽しみになってきた。


(余談)
 上でも触れた日々新聞の記事で、結果発表が19日であることを知っていた。日頃から「ググる」という習慣のない私は、いそいそと20日の毎日新聞朝刊を開いて、記事を探した。ところが、目を皿のようにして隅から隅まで紙面を見ても、載っていない。「ひと」欄に、田中絹代賞を受賞したとして薬師丸ひろ子が取り上げられているので、予定通り19日に結果が出たことは確からしいのに、である。仕方がないので、夜になってからネットで検索し、アフロの受賞を知った。自社主催の比較的大きなイベントのはずなのに、昨日も今日も、毎日新聞は結果を記事にしていない。どうして?