言葉言葉言葉・・・



 年末年始、何人もの卒業生に会った。わざわざ石巻まで酒を飲みに来た猛者もいた。私は、高校時代の思い出話しかしない卒業生には至って冷たいが、話が刺激に満ちていて面白い人とは友人として付き合う(師の礼を取ることもあり得る)。それは勿論、主体的・能動的に勉強し、人生に悩んでいる人だ。

 さて、彼らとのやりとりで諸君に紹介するに値する話は多いが、今日はその第1弾。

1:前任校の卒業生で、京都の某大学に進み中世仏教史を学んだ上で、今は商社で働くK君、「日本史が好きだからと史学科に進んだ人は皆つぶれました。日本史を学ぶことが出来るのは、古典(=古語を読むこと)が出来る人です。歴史の教科書の知識なんていくらあっても、それで『研究』は出来ません。」

2:4年前の卒業生で、今は東北大法学部4年生のS君、「とにかく日本語力です。言葉が出来ない人は全く学問になりません。戦前の判例を読む機会も多いので、古典も実用的でした。」

3:2年前の卒業生で、現在、某国立大学文学部に学ぶS君、「毎日毎日語学漬けで、辞書と共に生活する毎日です。私の場合、英語とイタリア語。一生懸命勉強しているつもりですが、それでも本当に卒論が書けるようになるかどうか不安です。」

 私の日頃同様の話はしているが、現役(若しくはそれに近い)の大学生から言われるととてもリアルだ。文系は学部に関係なく、とにかく語学、語学。そしてその基礎は、もちろん現代日本語だ。