県総体余話・・・一流は美しい



 県総体に出なかった我が山岳部は、磐梯山に独自の山行を行い、二日で活動を終了してしまった。おかげで暇になった昨日は剣道の会場に足を運んだ。会場が自宅から近いということもあったが、今年の剣道部は強いということをしばしば耳にしていたので、その快進撃を目の当たりにしてみたいと思ったのである。残念ながら準決勝で育英高校に僅差で敗れ、全国大会にも東北大会にも進めなかったが、いい勝負を見せてもらった。感動した。

 ところで、私は一高が負けたら、さっさと帰って来るつもりで出かけたのであるが、一高が負けた後も、1時間余り、男子の決勝戦まで見てしまった。決勝トーナメントを初めから見ていると、一戦毎に、つまりはより強い者同士が当たるほど試合の質が高く、見ていて面白かったのだ。剣道などという種目は、登山の対極、正に瞬間芸であって、私のように経験のない者には、技が決まったのやら決まらないのやら全く分からないシロモノである。にもかかわらず、試合の質の良し悪しは絶対に分かる。漂ってくる緊張感は、選手の集中力をそのまま反映しているだろうし、動きの速さも、切れも、上手な人は間違いなく人の目を引きつける。県レベルの剣道でも、一流は本当に美しい。やはり私が好きなのは、野球でもサッカーでも剣道でもなく、「一流」なのだ。