海軍反省会



 8月は原爆忌終戦記念日とあって、毎年様々な報道からいろいろなことを考える。今年も多くの報道に接したが、8月9〜11日、NHKで三夜に渡って放映された「海軍反省会」についての番組は、特に印象的だった。

 太平洋戦争当時の海軍将校が、1980〜91年に、のべ130回、400時間にも及ぶ反省会を開いていた、その記録を掘り起こしたものである。戦後35年も経てから、秘密で反省会が行われていたという事実にも驚くが、そこで語られている軍の体質というものは、現在の日本の社会、そこに属する多くの組織(学校ももちろん含む)の性質とほとんど完全に一致することが恐ろしかった。「戦争するぞ!」と突然言い出せば、反対はできるかも知れない。しかし、戦争はそんな風には始まらない。私達個人や社会のあり方全体の帰結としてたどり着くものである。一見戦争とは何の関係もないようなことの中に、戦争への遠因がたくさん含まれる。そこが難しいところだ。

 人間は果たして「反省」すること、歴史から「教訓」を得ることが可能なのか?そんなことを問われているような気がした。